電力カルテル、5社に改善命令 経産省、再発防止策の提出要求

経産省

 経済産業省は14日、大手電力4グループが電力販売でカルテルを結んだとされる問題で、中部電力の小売子会社、関西電力、中国電力、九州電力、九電の小売子会社の5社に電気事業法に基づく業務改善命令を出した。大手電力で不正が相次ぐ中、電力自由化に背く行為として事態を重く見た。再発防止と法令順守徹底に向け、各社に改善計画提出を求めた。

 中部電の小売子会社は中部電力ミライズ、九電の小売子会社は九電みらいエナジー。大手電力に改善命令が出るのは、ライバル会社の顧客情報の不正閲覧問題に続き、今年2回目となった。大手電力への改善命令が相次ぐ異例の事態で、実効性のある再発防止策の策定が急務となる。

 松野博一官房長官は14日の記者会見で、改善命令について「電力システム改革の趣旨に反するものでもあり、極めて遺憾だ」と述べた。

 カルテルを巡っては、公正取引委員会が3月、顧客獲得競争を制限したとして、独禁法違反を認定。中部電、中国電、九電の3グループに対し、総額約1010億円の課徴金納付命令を出した。

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