部活いじめで不登校 茨城・石岡市立中の男子生徒 PTSD、体重20キロ減 第三者委「学校対応に遅れ」

石岡市役所=同市石岡1丁目

茨城県石岡市教育委員会は14日、市立中3年の男子生徒が所属する運動部でいじめを受け、2022年7月から不登校が続いていると発表した。生徒は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、体重が20キロ以上落ちた。市教委は同年9月、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として市いじめ問題対策委員会(第三者委)に調査を依頼。第三者委は今年4月の報告書でいじめを認定し、学校の初期対応に不手際があったと判断した。

市教委によると、生徒は21年12月ごろから、主に部活動などで、同級生にプレーや歩き方をまねされたり、仲間はずれや無視されたりするいじめを受けた。同月、病院でストレスによる頭痛との診断を受け、22年7月から不登校になり、同8月にPTSDと診断された。同年9月、生徒と保護者は学校に対応を求める書面を提出。学校が市教委に報告書を出し、第三者委で調査していた。

22年1月以降、生徒は定期アンケートでいじめを受けていると回答したが、学校が具体的な対応を取ったのは不登校後に母親からの訴えを受けた後だった。

第三者委は、夏季休業を挟んで調査が進まないなど、初動対応の不十分さを指摘。「早期の適切な対応があれば、発症や不登校を防げた可能性も十分にあった」と結論付けた。

いじめがあった部は、顧問と副顧問が不在の時間が多く、生徒主体で活動しており、きつい言動が日常化していた。第三者委は部活動での指導上の問題が「いじめが起きた主要因」と判断した。

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