首都圏倒産30%大幅増 2023年上半期「販売不振」響く

 東京商工リサーチは14日、2023年上半期(1~6月)に首都圏1都3県で倒産した企業(負債1千万円以上)は前年同期比30.2%増の1258件だったと発表した。上半期に増加率が30%を超えたのは、バブル崩壊後の1992年(50.7%)以来という。新型コロナウイルス禍の資金繰り支援で抑制されていた反動が表れた。

 コロナ禍は一時、1千件を割り込むほど低水準だった。実質無利子・無担保「ゼロゼロ融資」の返済が本格化し、物価上昇や人手不足が重なって4年ぶりに増加に転じた。ゼロゼロ融資借り入れ後の倒産は2.5倍の112件。物価上昇が原因の倒産は9倍の65件だった。

 原因別で7割近くを占める「販売不振」が30.6%増。売り上げがコロナ禍前の水準に回復せず、仕入れコスト上昇分の価格転嫁が十分に進まなかった企業が目立つという。建設業や製造業が大幅に増えた。

 負債総額は59.3%減の5293億3600万円。負債1兆円を超える大型倒産があった前年同期の反動で3年ぶりに減少したが、中堅規模の倒産が相次いだ。

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