津幡、ため池決壊 石川県内大雨、5世帯に避難指示

急流によって基礎部分が崩れ崩落した納屋=14日午後2時、津幡町下河合

  ●住宅被害は91棟 かほく冠水解消

 石川県内で12日夜に発生した線状降水帯による大雨の影響で14日、津幡町笠池ケ原の新三郎池が決壊し、町は午後5時10分、鳥屋尾地区の5世帯18人に避難指示を出した。かほくでは48時間降水量が午前11時ごろまでに224ミリに達し、7月の観測史上最大を更新、1カ月平年降水量を上回った。かほく、津幡、内灘、加賀の2市2町で住宅の浸水や破損は91棟に上った。金沢地方気象台は引き続き土砂災害への注意、警戒を呼び掛けた。

 津幡町の221世帯で続く断水は15日中には解消する見通し。県道莇谷(あざみだに)津幡線笠野トンネルの土砂崩れで、笠野地区344世帯が13日、一時孤立した。河合谷地区でも床下浸水や土砂崩れなどの被害が確認された。

 集落全体が冠水していたかほく市多田では14日夕までに大方の水が引いた。

 金沢市東長江町の金腐川で14日、護岸が長さ13メートル、高さ5メートルにわたり崩れているのが見つかった。

 ため池は14日までに津幡町の3カ所で崩壊、かほく市の1カ所で決壊。津幡、内灘、かほく、能美の工場や店舗の浸水などの被害は54棟に上った。

 JR七尾線は始発から特急7本、普通列車21本が運休し、2450人に影響した。14日午後までに再開した。七尾線の運休に伴い宝達高、七尾城北高、津幡町の太白台小、笠野小が休校となった。

 通行止めは、5月の地震で片側交互通行の国道249号の輪島市町野町大川―珠洲市真浦町のほか、国道304号や県道など12路線17カ所で続いている。

  ●3連休は猛暑

 金沢地方気象台によると、15日からの3連休は後半を中心に晴れ、35度以上の猛暑日近くまで気温が上昇する所もあるとして、熱中症対策など健康管理に注意を呼び掛けた。19、20日は南下する前線の影響で再び雨が降る見込み。

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