米、学費ローン5兆円免除 80万人、大統領選にらむ

 【ワシントン共同】米教育省は14日、連邦政府が提供した大学の学費ローンに関し約80万人を対象に計約390億ドル(約5兆3800億円)分の返済を免除すると発表した。所得に応じた返済制度の算出に不備があったとして是正する。米国では多額の学費ローンが問題化しており、バイデン大統領は再選を狙う2024年大統領選をにらみ、対策を重視している。

 民主党のバイデン政権は昨年8月、最大4300万人が対象となる学生1人当たり最大2万ドルの返済免除策を打ち出したが、連邦最高裁は今年6月、行政権を逸脱しているとして無効との判断を示した。学費ローン問題は若者を中心に関心が高く、バイデン政権は代替措置を模索している。

 カルドナ教育長官は声明で「高等教育の機会を平等にするため戦い続ける」と強調した。

 教育省によると、所得に応じた返済制度の利用者は20年間ないし25年間返済し続ければ、残額は免除対象となる。免除基準を満たしているかを算出するに当たって長年にわたりミスがあったとして昨年4月、対策に乗り出すと表明していた。

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