チャンス量産も生かせず 渋野日向子の手応え「“パット・イズ・マネー”と言われるけど…」

ショットは「久しぶり」の好感触でチャンスを量産(撮影/亀山泰宏)

◇米国女子◇Danaオープン 2日目(14日)◇ハイランドメドウズGC(オハイオ州)◇6642yd(パー71)

後半17番(パー5)は丁寧にショットをつないで作った絶好機。渋野日向子はバーディパットを打った瞬間、右に外れるのを確信したように下を向いた。この日散見されたシーン。5~6mを含めればチャンスを“量産”しただけに、3バーディ(2ボギー)では物足りない。

グリーン上で自分の思ったところにボールを打ち出せず、「打った瞬間から『あっ、入らん』というのがすごく多い。自分の感覚もずれちゃっているのも修正していかないと」。左手を痛め、テンフィンガーグリップへの挑戦とインターロッキングへの回帰を経験したこの2カ月ほどは、どうしてもショットにフォーカスしがちな状況であったのも確かだ。

初日の出遅れを取り戻せず、自己ワーストを更新する日米ツアー5試合連続の予選落ち。「すごく残念」と悔しがった後で、わずかに声のトーンを上げる。

「久しぶりにボールをコントロールできた感は、若干あったような気がした」。4番で先行したバーディ、7番(パー5)でピタリと絡めたウェッジ、14番(パー3)で見せたカップをかすめるような一打…。安定したリズムと力感で、引き連れたギャラリーをショットで沸かせる場面は少なくなかった。

決めきれなかったグリーン上は「ちょっとずれちゃってる感じ」(撮影/亀山泰宏)

グリーンを大きく外したのは出だし2ホールくらい。グリーンエッジからパターで打てる状況もあり、パーオン率66.67%(12/18)の数字以上にまとまっていた。

「『パット・イズ・マネー』とは言われますけど、私はグリーン周りも下手というか、上手じゃないですし…。ずっとロングゲームで(バーディを)獲ってきた部分があったから、それができなくなってくると、自信というか、ゴルフにならないなって自分でも思っているので」。手の痛みを発症して以降、なかなかできていなかった“パッティング次第”というゲーム運びができたことをひっそりと喜ぶ。

「最近、ネガティブがヤバい」と自虐節で笑わせるだけに、しっかりと結果を受け止めつつ、冷静に見極めてポジティブな要素への評価も忘れないようにしたいところ。

次戦は欧州でメジャー「アムンディ エビアン選手権」(27日~/フランス・エビアンリゾートGC)。さらに歴代覇者として臨む、昨年3位の「AIG女子オープン(全英女子)」(8月10日~/イングランド・ウォルトンヒース)も待っている。(オハイオ州シルバニア/亀山泰宏)

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