滋賀県甲賀市水口町で江戸初期から生産が始まったとされ、歌川広重の浮世絵「東海道五十三次水口宿」にも描かれた、特産の「水口かんぴょう」作りが最盛期を迎えている。いくつもの白い帯がつるされ、梅雨の合間の青空の下で風に揺れている。
かんぴょうは、直径40センチ、重さ10キロにもなるユウガオの実を、幅3センチ、厚さ3ミリほどの長い帯状にむき、竹ざおにかけて2日ほど干す。現在は同町内14軒の農家が作っている。
7月上旬から作業を始めた農家の谷口治郎さん(76)は、日の出とともに動き、1日10個の実をむくという。「今年は梅雨でも晴れる日が多く、甘みのあるおいしいかんぴょうができています」と話した。作業は8月中旬ごろまで続く。