日EUで外相レベルの戦略対話立ち上げる 総理

 岸田文雄総理は13日の日EU(欧州連合)共同記者会見で「現下の厳しい安全保障環境の下、EUがインド太平洋への関与を強めていることを歓迎する。日EU間で外相レベルの戦略対話を立ち上げ、安全保障を含む幅広い分野で協力をより一層強化していく」と述べた。

 一方、EU東京事務所の開設に関しては開設の有無含め、議論そのものが先送りになったもよう。

 岸田総理は人工知能(AI)に関して「生成AIの急速な発展と普及はEUとの間でも国際社会全体にとっても重要な課題だ」とし「私はこの秋にも生成AIを中心的な議題としてG7首脳テレビ会議を開催する。G7広島サミットで合意された『広島AIプロセス』を通じてG7議長国として生成AIに関する国際的な議論を主導していく」との姿勢を強調した。

 また「持続可能な連結性及び質の高いインフラに関する日EUパートナーシップに基づき、グローバル・サウスへの関与強化の観点からも引き続きEUと連携していく」とした。

 また水素分野について岸田総理は「自動車分野での技術開発協力やグリーン水素製造での協業など数多くの協力プロジェクトが実施されている。取組み強化すべく、産業・金融・技術を柱とする、首脳も関与する日EUの協力枠組みを立ち上げる。日EUは水素分野でのトップランナーであり、水素流通のルール形成や技術・製品のグローバル展開、大規模サプライチェーンの構築を進めていくことにより、カーボンニュートラル達成に向けた水素社会を実現していく」と意欲を見せた。(編集担当:森高龍二)

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