那須雪崩事故の民事訴訟判決確定 双方控訴せず

 6年前の2017年に、那須町で大田原高校の生徒と教諭8人が雪崩に巻き込まれ死亡した事故を巡り、犠牲者のうち5人の遺族が県などに賠償を求めた裁判で県などに約2億9千万円の損害賠償を命じた一審判決が確定しました。期限までに双方とも控訴しなかったためです。

 一審の宇都宮地裁は6月28日、登山講習会の責任者だった教諭3人が事故当日の朝にテレビなどで気象情報や注意報を確認しなかったと指摘し「雪崩に対する危機意識の希薄さ」が事故発生の一因だとしました。そのうえで栃木県と栃木県高等学校体育連盟に約2億9千万円の賠償を命じました

 一方で、教諭3人に対する損害賠償の請求は退けました。浅岡千香子裁判長は判決の理由で「公務員が職務で損害を与えた場合は自治体に賠償責任がある」という国家賠償法の規定を引用し3人の賠償責任を認めませんでした。

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