海自大湊の大型弾薬庫は今春着工済み 地上に設置、覆土して安全確保へ

むつ市の海自大湊弾薬整備補給所=14日、むつ市大湊石橋

 青森県むつ市の海上自衛隊大湊地方隊に新設される大型弾薬庫を巡り、2025年度までに整備する2棟はいずれも地上覆土式の構造であることが14日、防衛省への取材で分かった。工期はおよそ3年間で、今春に着工済み。保管する対象について、同省は「運用の根幹に関わる」(担当者)として明らかにしていない。

 大型弾薬庫は大湊弾薬整備補給所に設ける計画。地上に堅固な保管施設を設け、その上に土を盛って安全性を確保する地上覆土式とする。一方、防衛省が大湊と同様に大型弾薬庫を新設する陸上自衛隊大分分屯地(大分市)は、地中式の構造で建設されるという。

 防衛省は大湊でさらに4棟を新設する調査も実施。これらも地上覆土式で建設する方向で検討が進むとみられる。ただ、弾薬庫の大きさや運用開始時期については明らかにしていない。

 政府は反撃能力(敵基地攻撃能力)の主力となる「スタンド・オフ・ミサイル」取得を推進。大湊は艦艇から陸揚げされる従来の兵器を含め、大規模な弾薬備蓄地となるとの見方もある。

 大湊地方隊を巡っては、防衛省が横須賀地方隊(神奈川県)への統合を検討。一方で大湊拠点の護衛艦を1隻増やすほか、大型艦船が入港できるよう湾内の掘削工事も進め、後方支援の機能強化が進むとみられる。

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