日本代表として2010年のワールドカップに出場した田中マルクス闘莉王。
日系ブラジル人の父を持ち、高校生の時に来日すると、その後、日本に帰化した。
その闘莉王の秘話をミスター・レッズこと福田正博さんが明かした。
かつて浦和のエースFWだった福田さんは、前園真聖さんのYoutubeに出演。闘莉王を自身のベストイレブンに選びつつ、こう話していたのだ。
「僕が浦和にコーチとして戻った時に闘莉王がいて。
彼は帰化してますし、日本の血は混ざってますけど、ブラジルで育ってブラジルの考え方なんですよね。だから、駆け引きができる。
大学生と試合をやった時に…前園さんは分かると思うけど、大学生と親善試合をやったりすると、大学生って結構やるじゃないですか。
結構、バカに…こっちもイライラしてくるような…分かります?
それがこっちが余計にリズムが崩れてうまくいかなかったりするじゃん。
ちょっとそんな感じだったんです、空気感が。うまくいってなかったですよ、浦和が。
その時に闘莉王が一発ですよ、相手のFWにガツンッ!って行ったんですよ。
ガツンどころじゃない、普通の公式戦だったら、一発退場で3試合出場停止くらい。本当に」
「空気が一変にシーンとなって、流れがガラッと変わった。相手がビビりまくった。
そういう駆け引きとか…技術はあるんですよ、ものすごく技術はあるし、サッカーのことも熟知しているんだけど。
日本人にはない勝負に対しての駆け引きの仕方ができる選手。これは俺が見てきたなかでは圧倒的。ラモス瑠偉さんもそうかもしれないけど、闘莉王は圧倒的にそこがある。
これが日本人に一番ないところなんだろうなぁと実は思った。それがなくても勝つ術を身に着けていかなければいけないのが、日本だとは今は思いますよ。
だけど、そうやって流れを変えるっていうのが、勝負、体をぶつけ合うスポーツで重要なんだなと。
本当に流れが一変に変わった。あんなに空気を変えられる選手は見たことがなかった。
3試合出場停止ですよ、公式戦だったら(笑)半年出場停止かもしれない(笑)
大学生は急にビビったね」
闘莉王は浦和が苦戦した大学生チームとの練習試合で相手を戦慄させる強烈なタックルを食らわせたという。
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一発退場物の相当な激しさだったというが、それで試合の流れは大きく変わったとか。