さんばのリズムでカラオケはもっと楽しく 沖縄の楽器「三板」講座 「世界のどの音楽にも合う」

 【那覇】趣味のカラオケに三板(さんば)のリズムを乗せるともっと楽しくなる―。沖縄三板協会(照屋政雄会長)の理事・講師の當間清子さん(72)が「三板カラオケ」講座を企画し、人気を集めている。講座を開設しているのは那覇市真地のウエル・カルチャースクール。

 沖縄の伝統芸能に欠かせない軽打楽器の「三板」。その普及を図るため20年前に沖縄三板協会が結成された。3月8日を「三板の日」に設定し、日本記念日協会の認定も受けている。毎年、この日に開催されるイベントは盛り上がるが、大きな普及にはつながらず課題になっている。

 その中で當間さんが考案、企画したのが三板の伴奏リズムを乗せた三板カラオケだ。「カラオケファンは多い。三板で自分のリズムを加えるともっと楽しくなるのではないか」と思ったのがヒントになった。

 カルチャースクールでの講座は2年目。現在8人が楽しむ。さまざまな奏法を指導し、懐かしい歌謡曲や島唄を次々歌いながら三板でリズムを刻む。「指を使うのでぼけ防止にもうってつけ」と當間さん。

 笑顔が絶えない、ちむどんどんの講座。浦添市から通う宮国千恵子さん(69)は「ポケットに忍ばせ持参できる。カラオケ仲間に楽しさをアピールしている」と快活に話した。

 當間さんは「三板は世界のどの国の音楽にも合う自由度の高い楽器」と深い魅力を強調する。野村流伝統音楽協会の師範でもある當間さんは、出身地の西原町では子ども三線サークルを指導している。三線に比べ気軽に習得できる三板。三板カラオケ講座の継続と「何よりも伝統楽器を音楽授業に取り入れほしい」との一念で普及に情熱を注いでいる。

(岸本健通信員)

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