池の避難指示解除 大雨の津幡、断水も解消

大雨の影響で水がたまり、決壊した新三郎池=15日午前9時、津幡町笠池ケ原(ドローンから)

 石川県内で12日夜に発生した線状降水帯による大雨で被害が大きかったかほく市、津幡町では15日、県や市町、住民らの復旧作業が続いた。津幡町笠池ケ原の新三郎池の決壊で鳥尾屋地区5世帯18人に出されていた避難指示は15日午前8時に解除された。同町10地区約220世帯の断水も同日午前には解消し、徐々に日常生活を取り戻している。

  ●かほくで復旧作業

 集落の冠水が14日まで続いたかほく市多田では、市建設業協同組合の組合員約30人が駆けつけた。暑さに汗だくになりながら、用水からあふれ出た重い泥をかき集め、トラックで仮置き場のうのけ総合公園まで運んだ。同所の中島伸一郎さん(60)は「あっという間にきれいになって驚いた。困っていたので助かった」と笑顔を浮かべた。

 断水が続いていた津幡町中山の中村勝志さん(53)は、通水再開で蛇口から出る水で顔や手を洗えるありがたみを実感したとし「すぐにとはいかないが、少しずつ日常を取り戻していきたい」と話した。

 14日に決壊した新三郎池は一夜明け、高さ25メートル、幅20メートルにわたって堤防が崩落した無残な姿があらわになり、土木業者らが被災状況の確認に当たった。

 馳浩知事は15日午前、被災した内灘町を視察した。道路片側が約20メートルにわたって崩落し西荒屋町の1.1キロが通行止めとなっている県道高松内灘線などの状況を確認した。午後からはかほく市、津幡町を回る。

 津幡町は14日、災害ボランティアセンターを開設した。支援が必要な被災者や河北郡市在住の個人、県内の5人以上の団体のボランティアを募っている。問い合わせは町社会福祉協議会まで。

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