ビッグモーター、不正5年以上か 粉飾も、ノルマ優先で法令軽視

中古車販売大手ビッグモーターの店舗=5日、東京都内

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求が5年以上前から行われていた可能性が高いことが15日、分かった。事故車両を修理する全国の工場で売り上げの架空計上など粉飾に当たる会計処理があったことも判明した。営業ノルマの達成を優先し、法令順守が長期にわたって軽視されてきた実態が改めて鮮明になった。

 外部弁護士の調査報告書によると、板金や塗装部門の元本部長が指示し、工場で粉飾が横行していることが2018年ごろに社内で発覚した。元本部長は、修理の工賃や部品から得る粗利の合計金額を上げるよう各工場長に強く要求。1件当たりの合計金額は「@(アット)」の隠語で呼ばれ、工場長らの圧力を受けた複数の従業員が粉飾のほか、故意に車を傷つけて修理代を水増しするといった不正行為に及んだことを認めた。

 元本部長の在任期間は15年8月から18年2月で、報告書は「当時から保険金の不正請求が一部で行われていたことがうかがえる」と推測した。

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