「TOTOミュージアム」100年以上受け継がれる『ものづくり』への想い【北九州市小倉北区】

北九州モノレール「香春口三萩野」駅から徒歩約10分、西鉄バスだと「貴船町」バス停からすぐの場所にある「TOTOミュージアム」。

「TOTO株式会社」の本社・小倉第一工場敷地内にあり、同社創立100周年記念事業として設立されました。

清潔感のある白を基調としたカーブを多用したデザインが印象的な建物で、建物外観の左サイドは「水滴」、右サイドは「緑豊かな大地」をイメージしているそう。この建物デザインを通して、「TOTOは人と地球のまいにちに潤いをもたらす環境づくりに貢献する」というメッセージを表現しているのだと言います。

時代とともに変化してきた水まわりの変遷を紹介

建物の1階はTOTOの最新商品が展示されている「ショールーム」、2階が「ミュージアム」となっています。

こちらのミュージアムでは、東洋陶器株式会社(現TOTO株式会社)の創立時(1917年)から今に至るまでの足跡や、受け継がれるものづくりへの想い、世界各地での事業展開を大きく3つに分けて、貴重な資料とともに紹介しています。

TOTOのものづくりの原点である、国産初の腰掛式水洗便器(1914年完成)を復元したものをはじめ、1964年の東京オリンピックを機に誕生した日本初のユニットバスルーム(JIS規格による)をホテルニューオータニから移設し一般公開。

ほかにも、霞が関ビルディング(大便器ユニット)、迎賓館赤坂離宮(大便器・ビデ・浴槽)など、それぞれの時代を象徴する歴史的な建築物に採用された水まわり商品も展示されています。

フロアは、TOTOの創業のルーツと歴史を紹介する「第1展示室」、TOTOがこれまで作り出した、水まわりの文化と歴史の数々、礎を築いた先人の想いを紹介する「第2展示室」、アメリカ、中国、アジア・オセアニア、欧州など、世界で販売している商品をエリア別に展示する「第3展示室」のほか、TOTOが伝えたい「これまで」と「これから」を適宜テーマを変えて展示している「特別展示室」、TOTOの歴史やトイレ、公衆衛生についての関連書籍を閲覧できる「ライブラリー」、TOTOミュージアムオリジナルグッズをはじめとする多彩なアイテムが揃う「ミュージアムショップ」で構成されています。

フォトスポットにもなっている「トイレバイクネオ」は、2011年に環境への取り組みをPRするため、北九州から東京まで1400キロメートルを実際に走りました。燃料は、動物の排泄物などから作られたバイオガス。運転席がトイレになっており、後部には巨大なトイレットペーパーが乗っています。

体験コーナー「座ってみよう、いろいろな便器」では、身体に合わせて開発された3種類の便器を展示。幼児用腰掛便器から力士用便器まで、実際に座って大きさの違いを体験できます。便座に座って記念撮影するのも良いですね。

「変わった形の衛生陶器」では、和風便器が主流の時代に生まれた「和風腰掛便器」や、女性も立って小便ができる男女兼用小便器「サニスタンド」など画期的な衛生陶器を展示。当時のカタログ説明文と合わせて見るとより楽しめますよ。

この「衛生陶器ミニチュア」は、戦後間もない頃のカタログに掲載された衛生陶器に合わせて、精巧に作られた衛生陶器のミニチュア。ショールームの無かった時代、客に商品の色や形について説明する時に使用していたそうです。大きさは実物の20分の1。

音声による展示解説サービスやミュージアムショップも充実

同ミュージアムでは、音声ガイドペンによる展示解説サービスを実施。ガイドマップに音声ガイドペンをタッチして、解説を聞くことができます。日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語の5言語に対応。子ども向けの音声(日本語のみ)も用意しているとのこと。利用は無料です。

また、ミュージアムショップでは、「超ミニチュア便器」をはじめとするTOTOミュージアムオリジナルグッズや、地元企業とのコラボ商品なども販売されています。

企画展示「進化を続けるネオレスト展 ~誕生30年の軌跡~」は11月12日まで

特別展示室では、11月12日まで企画展示「進化を続けるネオレスト展 ~誕生30年の軌跡~」も開催中。

2023年4月1日に発売30周年を迎えた、TOTOが製造・販売するトイレの最上位シリーズ「ネオレスト」。「新しい(Neo)トイレ(Rest-room)」という意味が商品名に込められた初代「ネオレスト」は、新たなレストルーム(トイレ空間)を創造する次世代便器として、1993年4月1日に発売されました。以来、TOTOトイレの最上位シリーズとして、テクノロジーとデザインの両面でトイレの“新常識”を次々と生み出し、レストルームの新たな文化を創造し続けています。

企画展示では、1993年に誕生したネオレストEXはじめ、デザインとテクノロジーを融合させながら進化し、トイレ空間にも影響を与えたネオレストの30年間の軌跡を振り返ります。

■住所/小倉北区中島2-1-1
■開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
■休館日/月曜日・夏期休暇・年末年始
■駐車場/あり

※2023年7月15日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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