ウクライナ加盟の道筋明示に反対 米国とドイツ、NATO声明に

リトアニア・ビリニュスで、G7の共同宣言発表時に話すウクライナのゼレンスキー大統領(右)。左はバイデン米大統領=12日(ゲッティ=共同)

 【キーウ共同】リトアニア・ビリニュスでの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で11日に発表された声明について、発表数日前の草案段階ではウクライナの加盟に向けた道筋が明示されていたが、米国とドイツの反対で表現が修正されたことが分かった。米ブルームバーグ通信が15日までに複数の当局者の話として報じた。現時点で加盟を確約すれば、ロシアとの停戦交渉が困難になることを懸念した可能性がある。

 発表された声明では、加盟手続きの短縮で合意したものの、期限は明記せず「加盟国が同意し、条件が整えばウクライナを招請する」とし、具体的な工程は示されなかった。

 草案の修正を知ったウクライナのゼレンスキー大統領は、首脳会議に向かう道中の11日、ウクライナの加盟や招請の期限を示さないのは「前代未聞でばかげている」と通信アプリに投稿し、怒りをあらわにした。米紙ワシントン・ポストは14日、こうしたゼレンスキー氏の反応に激怒した米側は、声明での加盟に関する表現をさらに後退させることも検討したと複数の当局者の話として報じた。

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