神奈川の観光・宿泊施設、「通常の夏」に期待 集客へイベント注力、営業開始前倒しも

横浜・八景島シーパラダイスでは人気ゲームとコラボしたイルカショーなどを行う(同施設提供)

 夏本番を迎え、県内の観光・宿泊施設は夏休みの受け入れ態勢を整えている。今夏は新型コロナウイルス感染症の「5類」移行を受け、営業開始時期を早めたり、スタッフのマスク着用を任意にしたりと、コロナ禍前に近い状態で営業する施設も。国内旅行のニーズは高まっているとされ、各施設は集客に期待を寄せている。

 「久しぶりの制限解除の夏をたくさんの方に思いっきり楽しんでいただきたい」。そう話すのは大磯プリンスホテル(大磯町)の担当者。隣接する大磯ロングビーチは5類移行を受け、昨年より1週間ほど早い今月1日に営業を開始した。7月中は幼児料金が無料になる「キッズフリー」キャンペーンを開催するほか、バーベキューやサウナが楽しめるエリアを展開。今年の来場者は、昨年の3割増しの約17万人を見込む。

 横浜・八景島シーパラダイス(横浜市金沢区)は、園内のマスク着用について7月から従業員も任意とした。夏のイベントも豊富に用意し、“通常”に近い状態で営業する。

 コロナ禍で中止していた花火ショーを4年ぶりに5日間限定(今月22日と8月11~14日)で開催。さらに今月から、人気シューティングゲーム「スプラトゥーン3」とタイアップしたイルカショーを繰り広げ、ゲームの登場キャラクターにちなんだイカやタコを特別展示し、水鉄砲の射的コーナーも設ける。

 県が定める「海水浴場ルールに関するガイドライン」で、今年は新型コロナ対策に関する記述が削除された。本格的なシーズン到来で、書き入れ時を心待ちにしているのが海の家だ。

 逗子海水浴場(逗子市)で海の家を展開するWILDBOAR(ワイルドボア)では、予約が埋まる日が増加。昨年営業を再開し、多い日で1日約500人が利用していたが、インバウンド(訪日客)が回復傾向にある今夏は、さらなる来客を見込んでいる。担当者は「都心から電車で来られる海水浴場のため、海外の方も多く訪れると期待している」と笑顔で話す。

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