深浦で土砂災害も 青森県内大雨16日も警戒

土砂が流入し全面通行止めとなった秋田県境近くの国道101号=15日午後0時59分、深浦町大間越筧
深浦町役場岩崎支所近くの笹内川に架かるJR五能線の鉄道橋=15日午後1時20分、同町岩崎平舘

 青森県内は15日、津軽地方を中心に激しい雨に見舞われた。気象庁は5段階の「大雨警戒レベル」で、2番目に高い「レベル4」に当たる土砂災害警戒情報を深浦、外ケ浜、中泊の3町に一時発令。県によると、深浦町長慶平の茶臼山観測局の雨量計が、14日午後7時の降り始めから15日午後10時半までの累計で300ミリに達した。同町大間越では土砂崩れが発生、国道101号に流入した。午後5時現在、県内で人的被害は確認されていない。

 青森地方気象台によると深浦町の降水量は、15日午後6時20分までの24時間で168.5ミリを記録して7月の観測史上最大となり、1日で同月降水量の平年値を上回った。同日午後8時までの24時間降水量は五所川原市市浦84ミリ、むつ市湯野川79ミリ、十和田市休屋74ミリ、平川市温川71ミリなど。

 県は同日、災害対策本部を設置。同本部によると、深浦町大間越地区の土砂災害で住民5人が一時孤立したが、同日正午までに避難所へ避難した。県は深浦町に対し、県などが救助の支援負担ができる災害救助法の適用を決めた。同町は大間越、相野山、塩見崎、岩崎上、正久の5地区計562世帯1091人に、中泊町は袰内(ほろない)地区の2世帯3人に避難指示を発出。深浦町では同日午後8時5分時点で住民86人が避難所に身を寄せている。中泊町は午後5時57分に指示を解除した。

 大雨の影響は交通関係にも及んだ。JR東日本青森支店によると、15日は奥羽線と五能線の上下36本が運休、または区間運休。同社秋田支社は、秋田県を中心に引き続き雨が見込まれるため、16日は奥羽線と五能線で一部列車の運転を見合わせる。また、五能線鯵ケ沢-東能代間と、快速「リゾートしらかみ」は17日も終日運転を見合わせる予定。

 道路は、県が14日にあらかじめ通行止めにした県道岩崎深浦線(深浦町岩崎-同町深浦、5.8キロ)など県道5区間に加え、国道101号(深浦町大間越、0.1キロ)や、県道十二湖公園線(深浦町松神、2.7キロ)が新たに通行止めとなった。追加された2区間の解除予定日は未定。

 16日の県内は前線が東北北部付近に停滞する影響で、前日に続き警報級の大雨となる地域がある見込み。同日午後6時までに予想される24時間降水量は、いずれも多いところで津軽80ミリ、下北60ミリ、三八上北60ミリの見通し。気象台は、引き続き大雨による土砂災害や河川の増水に警戒するよう呼びかけている。

© 株式会社東奥日報社