哀愁帯びた白石踊 鑑賞体験ツアー ユネスコ無形文化遺産 登録後初

 笠岡市の笠岡諸島・白石島で15日夜、島伝統の盆踊り「白石踊」(国指定重要無形民俗文化財)の鑑賞・体験ツアーが開かれた。昨年11月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されてから初めての開催。岡山県内外から参加した約100人が、哀愁を帯びた優雅な舞に魅了された。

 夕闇が迫る海水浴場に着物や法被姿の島民らが登場。太鼓や歌い手を中心に輪になり、「ヨーホイ、ヨーイヤナイ」のかけ声に合わせて笠(かさ)や扇子を使った踊りを披露した。

 ツアー客も加わって楽しみ、友人と訪れた女性(78)=岡山市北区=は「ユネスコに登録されたと知り、生で見てみたかった。趣があってとても美しく、歴史の重みも感じた」と話した。

 白石踊は、源平水島合戦(1183年)の死者を弔うために始まったとされる。男、女、笠など13種の踊りがあり、一つの音頭で複数を同時に踊るのが特徴。白石島では8月13~16日に盆踊りが行われる。ツアーは笠岡市観光協会が主催した。

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