地域と学校、連携推進 座談会や事例発表 茨城県庁でフォーラム

「地域とともにある学校づくり推進フォーラム2023」の座談会=水戸市笠原町

学校や地域、家庭が一体となって子どもを育てるコミュニティ・スクール(CS、学校運営協議会制度)の質の向上を目指し、「地域とともにある学校づくり推進フォーラム2023」が15日、水戸市笠原町の茨城県庁で開催された。有識者3人による座談会や、事例発表が行われ、参加者はより良いCS運営のヒントや関連施策の動向を学んだ。文部科学省、同県教育委員会主催。

座談会では、「社会に開かれた教育課程」の実現▽働き方改革▽不登校対応-の3点について、社会教育の専門家らが意見を交わした。文科省CSマイスターで元小学校長の安斎宏之さんは「学校が何を目指しているのか地域と共有しなければ、連携や人材確保は難しい」と振り返る。地域とともに魅力ある教育目標を策定する重要性を語った。

働き方改革について、中央教育審議会委員で杏林大客員教授の清原慶子さんは「学校は児童生徒だけでなく、教員も楽しくなければ。子どもと対話できるゆとりがなくてはいけない」と訴えた。熊谷慎之輔岡山大教授は、文科省が不登校を進路の問題と捉え社会的自立を目指す必要があるとしていることに触れ、「学校復帰を強調する考えのままでは対応を誤る恐れがある」と指摘。時代遅れの価値観や知識を捨て新しいものに置き換える「学びほぐし」が必要だと述べた。

事例発表では、茨城県牛久市教委や同市立牛久南中、水戸市教委らが取り組みを紹介。開会行事では永岡桂子文部科学相と森作宜民県教育長があいさつした。

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