高志の国文学館(富山)の室井滋館長、直木賞作家の中島さんと対談

エッセーの面白さについて語り合う中島さん(右)と室井館長

 富山市の高志の国文学館の室井滋館長と多彩な分野のゲストが対談する新シリーズ「室井滋の文学サロン キトキトの仲間たち」の第1回が15日、同館で開かれ、直木賞作家の中島京子さんと室井館長が文学について語り合った。

 中島さんは1964年生まれで東京都出身。2010年に「小さいおうち」で直木賞を受賞した。室井館長とは親同士が同級生で、旧知の仲だという。

 対談では室井館長が中島さんの最新エッセーを紹介。中島さんが「若い頃には気付かなかったことに気付けるから、年を取るのは案外楽しい。恥ずかしいけど、腰が痛いとかの体の不調も正直に書いている」と話すと、室井館長が「エッセーは恥ずかしい内容であればあるほど面白いの」と返し、会場を沸かせた。

 この日は中島さんの講演もあった。デビュー作を執筆した経緯や自身の読書体験を紹介し「文学は感情を育み、心のもやもやに言葉を与えてくれる実用的なもの」と語った。

 「室井滋の文学サロン」は年3回開き、次回は10月に映画監督の本木克英さん(富山市出身)を招く。

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