最新ドラマ制作費ランキング!『孤独のグルメ』の50倍の驚愕金額の1位は?

7月上旬、成田空港に黒のセットアップに身を包み、颯爽と歩く役所広司(67)の姿が。7月クールの日曜劇場『VIVANT』(TBS系)のモンゴルロケから、帰国したところだった。役所のほかには大量の機材をカートにのせて運ぶ、日焼けしたスタッフの姿もーー。

5月にカンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞した役所だが、同作は主演ではない。

「堺雅人さん(49)が『VIVANT』の主演を務め、阿部寛さん(59)、二階堂ふみさん(28)、松坂桃李さん(34)、役所さんといった日本を代表する俳優陣が脇を固めます。また注目の若手俳優の竜星涼さん(30)や林遣都さん(32)、名バイプレーヤーの小日向文世さん(69)なども出演します。

さらに’17年の映画『スパイダーマン:ホームカミング』に出演したハリウッドスターのマーティン・スター氏(40)もキャスティングされました。くわえて、未発表の出演者のなかには、日本アカデミー賞・最優秀主演男優賞受賞歴のある人気俳優もいるのだとか」(芸能関係者)

超豪華メンバーがそろう今回の日曜劇場。ドラマの制作費は、異例の金額にーー。

「福山雅治さん(54)が主演を務め、大泉洋さん(50)がバディ役で出演した4月クールの日曜劇場『ラストマン︱全盲の捜査官︱』の制作費は約5千万円ほどだったとか。日曜劇場の制作費は4千万円から5千万円が相場です。

しかし『VIVANT』はこれを大きく上回ります。’20年に放送されたドラマ『半沢直樹』(TBS系)の堺さんのギャラは1話500万円といわれており、今回も同水準でしょう。二階堂さんのギャラは1話120万円ほどだと報じられています。主要キャストの出演料だけで1話2千500万円はくだらないのではないでしょうか」(映像制作関係者)

キャスティングにお金をかけている同作。質の高い作品作りのために、撮影にも一切の妥協はないようだ。

「モンゴルでしか撮影できないシーンのために、2カ月半に及ぶ海外ロケを行っているそうです。キャスト、スタッフ約250人に加えて、総数3千頭以上のラクダや馬、ヤギ、羊を集めて撮影しています。撮影にヘリコプターを使うシーンもあるのだとか。

また画質にもこだわっていて、1クール使用するのに、500万円かかるカメラを3台利用していると聞いています。

俳優陣の出演料、スタッフの人件費、モンゴルロケの渡航滞在費、撮影機材の運送費などを含めると、1話で1億円はかかっているのではないでしょうか」(前出・映像制作関係者)

破格の“1億円ドラマ”『VIVANT』。同規模のドラマはこれまであったのだろうかーー。

「日本だけでなくアジア圏で人気を博した’19年のNetflixドラマ『全裸監督』も、1話あたり1億円の制作費がかかったそうです。主演を務めた山田孝之さん(39)のギャラは500万円ほどだったとか。撮影のため、屋内に“バブル時代の歌舞伎町”を完全再現した巨大セットを組んでいました」(前出・映像制作関係者)

Netflixと競合する動画配信サービスのAmazonプライム・ビデオも負けていないと、前出の映像制作関係者は続ける。

「’23年の3月に配信が始まったドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』の制作費も1話9千万円ほどといわれています。

主演を務めたのは、米倉涼子さん(47)で、出演料は1千万円近いとの報道も。フィリピンや韓国でロケを行ったそうです。動画配信サービスの作品はテレビ局の連ドラと比べて一日の撮影量が少なく、スケジュールに余裕をもたせているため、拘束日数が増えて、人件費もかかる傾向にあります」

動画配信サービスに次いで潤沢な制作費がかけられているのは、NHKの看板番組である大河ドラマだ。NHKが公表している「収支予算と事業計画の説明資料」(令和5年度)によると、1話あたりの制作費は約7千900万円。

「NHKの過去の出演作への貢献度で定められる同局の出演料は、民放に比べて2~3割程度低い傾向にあります。しかし時代劇の撮影には、セットや衣装などに莫大なお金が必要になります。

朝ドラも同様で、1本1千350万円ほどで、1週間で7千万円近くの制作費がかかっています」(テレビ局関係者)

民放で放送されている連ドラの制作費は、テレビ局によって差が。

「昔から“ドラマのTBS”と言われるほど、TBSはドラマ制作に力を入れてきました。現在でも『日曜劇場』以外の連ドラでも3千万~4千万円で制作しています。いっぽうでTBS以外の各局ではドラマ制作費の大幅な削減が進んでいるそうです。

’90年代に『月9』に1話5千万円をかけていたフジテレビもいまでは、3千万~3千500万円でドラマを制作しています。

そしてテレビ朝日が2千万~3千万円、日本テレビが2千万円ほど、テレビ東京が800万~1千万円で作っているといいます」(前出・テレビ局関係者)

深夜ドラマの予算はさらに少ない。前出のテレビ局関係者は言う。

「1本300万~500万円で作られているそうです。なかでもテレビ東京の人気深夜ドラマ『孤独のグルメ』は1本200万円という“超低予算”で制作されており、松重豊さん(60)へのギャラは30万円ほどだとか」

連ドラの面白さは必ずしも制作費に比例しないのか!? 『VIVANT』の真価が問われるーー。

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