小型犬には散歩は必要ありません…って本当?!どんな犬にも散歩は「絶対に必要」です。

「小型犬は散歩の必要はないです」はただの売り文句

そもそも、なぜまだまだ一部のペットショップでは「小型犬は散歩は必要ありませんよ」というような信じがたいことをいっているのでしょうか。

これのひとつの大きな原因となっているのが、ペットショップ店員は必ずしもその動物種の専門家・プロフェッショナルばかりではない、ということです。

一般的に消費者は、その部門や専門店に所属している人間をその道の「プロフェッショナルである」と認識すると思います。特に動物のような生き物を相手にする人となると、その生き物の専門知識をもつ「専門家である」のは当然、と思うでしょう。

しかし、実際一部のペットショップは専門家はわずか数名で、販売専門のアルバイト的な人が多い場合もあります。中にはその知識は、その非専門家の人たちが作成したマニュアルが代々引き継がれ、情報が古いままだったり、間違っていてもそのまま先輩たちから教えてもらっている、など、必ずしも最新の最先端の情報でない場合も。

もちろん、販売のために説明をする側はあたかも知識があるように話をしますが、これが残念な相手に当たってしまうと、今後の愛犬との生活に支障をもたらすこともあるかもしれません。

そして、その内容の中で定型文のように使われているセリフがあります。

「小型犬なら散歩の必要はないですよ」

という売り文句。

ショップ店員の仕事は生体を売ることです。中には、売ることで大きな歩合を得ることができるシステムのショップもあるでしょう。

生き物でビジネスをすることは決して悪いことではありませんが、これからその個体の一生に責任を持たなくてはならない飼い主となるかもしれない顧客に、最新の最先端の知識を与えられないのはいただけません。

覚えておいてください。「小型犬は散歩の必要がない」という言葉は、あまりにも無責任な言葉だということを。

散歩の必要がない犬は存在しないのです。

小型犬だからと甘く考えて後で困るのは飼い主さん

『コロナの影響でペットショップが大繁盛』というニュースもありましたが、同時に「仕事に出ることになったから飼えなくなった」「思ってたのと違った」「排泄するなんて聞いてない」「吠えるから飼えない」というような驚くべき理由で、わずか数日や数ヶ月で手放す人も多かったという事実をご存知でしょうか。

どちらもニュースにはなりましたが、これはコロナとは関係なく生き物を迎え入れるにあたって調査不足・覚悟不足の結果ですよね。

実際、「小型犬だから簡単だと思った」という理由で迎えて、結果悩み苦しみ手放すということは、コロナ以前から起こっている出来事です。

こうしたことが起こるのは、迎えると決めた側の安易な購入がそもそもではありますが、売る側である無責任な一部のショップが「販売優先」するために「その種についての知識の有無は関係ない」と顧客に思わせてしまっているのことも要因のひとつ。

売ることが目的であり、売れればなんだっていい、という無責任なスタイルのショップで出会ってしまうと、結果として困るのはその子と今後の生活を過ごす飼い主さんです。

小型犬だから楽だろう、小型犬だからどうにかなるだろう、という考えは非常に危険です。

売る側はもちろんですが、一生の責任を持つ飼い主となる人間自身が、具体的に何が必要でどのような可能性がありどうしていくべきか、ということをきちんと知っておかなくてはなりません。

小型犬を迎えることを考えたら各専門家に相談

小型犬を迎えるとはどういうことなのでしょうか。

また、今後具体的にどのようなことが必要となり、どのくらいの費用がかかり、そのためにどうしていかなくてはならないのでしょうか。

このようなことを知るためには、実はネットや本で情報を集めるだけでは不十分ですし、専門家でない限り、何が正しくて何が正しくないのかの判断が難しいと思います。

そもそも、巷に溢れていて容易に得ることのできる情報で解決するのであれば、動物病院、トリマー、トレーナーといった各分野での専門家というものは必要ないでしょう。

また、小型犬と一口に言っても犬種はさまざまなのはもちろんですが、同じ犬種でもその個体によっても違ってきます。

なぜなら相手は生き物です。命です。機械で作られたおもちゃではありません。

だからこそ、迎える前に迎えることを検討していてそのために必要なことを迎える前に専門家に聞いてください。

  • 予防や治療など健康のために飼育にあたって必要なことは動物病院に要相談
  • 皮膚皮毛のケアに必要なことはトリマーに要相談
  • その個体と飼い主さんの今後の生活で困ったを予防軽減するためにトレーナーに要相談

理想はすべてのそれぞれのプロに話を聞いて下調べをすることは理想ですが、絶対に避けることはできない病気の予防と治療については知っておくべき基本でもあるので、まずは動物病院で相談してみてください。

「小型犬を迎えようと考えているが、迎えるにあたって何が必要でどんなことを知っておくべきか相談したい。」

そう伝えれば丁寧に教えてくれます。もちろん、そのために相談料が必要となる場合もありますが、それは病院の方に問い合わせてください。

ただし、無料だから良い病院・有料だったから悪い病院というような決め方はしないようにしてくださいね。

まとめ

「小型犬には散歩は必要ありません」というのは無責任なショップの売り文句です。

しなければいけないと思っていたこと、そしてそれには時間と手間がかかることであればあるほど、「しなくてもいい」と言われたらすごく楽に感じると思います。

そして、もっと楽に簡単に考えていいのだと無意識に思ってしまい、簡単に迎えてしまう人は少なくありません。

その結果、散歩に連れて行ってもらえないことで余分なエネルギーが蓄積され、いわゆる『問題行動』と言われるような状態を生み出します。

問題行動をどうやれば治せるのだろうか?と検索したり知人に聞いたりして色々試し、余計に悪化してしまった、手が付けられない、だからもう手放す…ということが当たり前に起こっているのは、そもそもスタートが安易過ぎるからです。

小型犬だからではなくそれはひとつの命であることを認識し、迎えた以上は良質な環境で最期まで責任をもってお世話をするという当たり前のことを忘れないでください。

ネット情報やその辺の本を読むだけでは「こんなはずじゃなかった」という事態を起こしやすいです。

知人に聞いた話だけを鵜呑みにしても、それがあなたの生活や迎えようとしている子に当てはまるとは限りません。

だからこそ勢いやショップでの話だけで決めるのではなく、動物病院に事前に相談をして、具体的にどういったことが必要なのかを確認し、一生を共にする上でトレーニングについてトレーナーに相談。

トリマーにはお手入れに必要なこととそのくらいのスパンで利用したほうがいいのかを確認するなど、小型犬を迎えるための調査や事前の相談はあらゆる面において不可欠なものです。

小型犬だからといって決して簡単ではありませんし、小型犬だからといって散歩は必要無いなんてことは絶対にありえません。

なぜ同じ犬なのに、小型犬という他よりも小さい犬だからという理由で散歩が不必要になるのでしょうか?

むしろ、大型犬なみに散歩を必要とする小型犬はいますし、小型犬でも大型犬なみにエネルギッシュな子はいます。

そんな子を散歩無しにした場合、余ったエネルギーをどうやって使ってあげたらいいのでしょうか?

こうして考えていくと、決して「小型犬だから散歩は必要ない」なんて言えないと思います。

可愛いと思って迎えた子が、憎たらしい可愛くない悪魔に見えるなんてことにならないよう、事前に各分野の専門家に相談して、本当に迎えることができるのか、その覚悟を持つことができるのかを考えてから決められることをおすすめします。

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