阿部サダヲ&優香が「広重ぶるう」で夫婦に。歌川広重と妻・加代の心温まる物語

NHK BSプレミアム4Kでは2024年3月後半に、葛飾北斎とともに世に知られる浮世絵師・歌川広重と妻・加代の夫婦を描く特集ドラマ「広重ぶるう」(日時未定)を制作することが発表された。

阿部サダヲが主人公・広重を演じ、その妻に優香が扮(ふん)する「広重ぶるう」。ほか、鬼才・葛飾北斎役を長塚京三が務め、勝村政信、笹野高史、渡辺いっけい、黒沢あすか、中島ひろ子、小松和重、前野朋哉、山本裕子、みのすけ、若林時英、野添義弘、吹越満、髙嶋政伸ら多彩な共演者が脇を固める。

原作は、時代小説作家として定評のある梶よう子氏の同名小説。映画「駆込み女と駆出し男」(15年)、「居眠り磐音」(19年)、「大コメ騒動」(21年)で助監督を務めた井上昌典氏の演出によりドラマ化する。また、ドラマ「ダメな私に恋してください」「きみが心に棲みついた」「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」(すべてTBS系)、「幸運なひと」(NHK)などを手掛けた吉澤智子氏が脚本を担当。これまで語られることの少なかった広重と妻・加代が共に歩んできた軌跡を、温かい視点でつづる夫婦の物語が展開する。

文政13(1830)年。広重は家業の火消しで生計を立てる下級武士だった。派手な美人画・役者絵全盛期にもかかわらず広重は地味な画風で売れずもがいていた。しかし、妻・加代だけは広重を気丈に励ましつつ、質屋に通い身を削って支える。そんな時、ある版元から渡されたうちわに“ベロ藍”という舶来絵具で絵が描かれており、その美しさに衝撃を受けた広重は、思わず「この青が活(い)きるのは空!」と叫んだ。

しかし、鬼才・北斎の存在、同門の歌川国貞(吹越)との差を感じつつ、ベロ藍を初めて使用した「東都名所」の売れ行きは不調。そんな中、「東海道五十三次」を出版する版元・保栄堂の主人・竹内孫八(髙嶋)と出会う。広重は周りの人間に支えられながらも、もがき苦しみ、おのれの描きたい画を追い求める。そして、ついに描きたいものが見つかった矢先に加代の身に…。そして、安政の大地震が発生。失われた江戸を求めて、広重は再び筆をとることを決意する。後にゴッホが模写し、世界の絵画に大きな影響を与える「名所江戸百景」を、ベロ藍を武器にして描き出す。

広重役の阿部は「浮世絵師の役は初めてですし、筆の動かし方や扱い方、そして所作も現代とは違うので苦労しそうですが、楽しみでもあります」と言い、「広重が火消しをなりわいとしている武士だったということや、絵師として売れるまでは妻の支えがなければ厳しかったことなどは知らなかったので、このドラマであまり知られてなさそうな部分の広重をお見せできたらと思っています」とコメント。

妻・加代役の優香は「加代さんは、広重さんの才能、優しさ、面白さを誰よりも理解していて、信じていて、広重さんをずっと支えている方」とし、「広重さんの絵はどこかで一度は目にしていたと思います。そんな人たちの世界の中に入れること、こんなすてきな加代さんを演じることができて幸せです。阿部サダヲさんとの共演も楽しみでしかたありません!」と期待を寄せている。

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