不信感がある…マイナカード自主返納が急増 さいたま市、すでに前年度超 市長「まず国が対応、対策を」

さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

 マイナンバーカードのトラブルが相次ぐ中、埼玉県さいたま市は14日、自主返納が6月に62件と急増し、新年度に入り約3カ月半で計127件に上ると明らかにした。前年度の1年間の99件を既に上回った。自主返納した市民は「所有する必要性が感じられない」「制度に対して不信感がある」と理由を回答したという。清水勇人市長が同日の定例会見で、記者の質問に答えた。

 市区政推進部によると、自主返納は2022年10月の19件から増え始め、22年度は計99件だった。23年度は4月が10件、5月が17件、6月が62件と急増し、7月は12日時点で38件と増加傾向が続いている。返納届には返納理由を任意で記述する欄があり、「不信感がある」などが大きな理由だった。

 清水市長は「一連の問題については、まず国が原因を明確にして、人為的なミスが発生しないチェック体制の構築、個人情報のセキュリティー強化などを進めてほしい。国民、市民の不安や懸念を払拭するため、国が丁寧に原因を説明し、どのように解決するかを明示してほしい」と述べた。

 一方、市は他市で発生したマイナカードによるコンビニ交付サービスの証明書の誤発行を受け、6月30日から停止していた交付サービスを7月15日午前6時半から再開すると発表した。事業者の富士通Japanがシステム点検を終え、同じ事象は起こらないと報告を受けたとしている。

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