甲子園出場を懸けた第105回全国高校野球選手権記念沖縄大会の第11日は15日、沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝2試合を行った。ウェルネス沖縄―興南の対戦は七回に1点を先制したウェルネスが興南を無失点で抑え、初の決勝進出を決めた。沖縄尚学―宮古の対戦は五回までに5点を奪った沖尚が宮古を退け、3年連続16度目の決勝に進んだ。決勝は16日午後1時から、同球場で行われる。
堅実に1点を積み重ねた沖縄尚学が安定感のある試合運びで決勝へと駒を進めた。敵失も手伝い、五回までに5得点。4番仲田侑仁の適時打や6番で主将、佐野春斗の犠打飛などでじりじりと宮古を苦しめた。
この日の仲田は調子が良く、4打数3安打1打点と今大会で自身初めての猛打賞となり、主砲としてチームをけん引した。好調の要因について、ここ数日で「タイミングの取り方を変えたから」という。
これまで打席ではバットを寝かせすぎていたが、比嘉公也監督の助言で、少し立たせて構えるようにした。打ち急いでいた点も修正し、相手投手の動作に合わせてから体を動かし始めることで体勢も安定。宮古の2投手、新里竜正と友利洸星を攻め立て、1打席目は中前、2、3打席目は左へと打ち分け、試合をつくった。
好投していた先発の伊波慶治朗が六回に1点を返され、走者を背負った状態で後を継いだエース東恩納蒼も安打を許して3点差まで詰め寄られるが、それ以降はきっちりと抑え、宮古に追加点を許さなかった。
仲田は「次も絶対に勝ってもう一回甲子園でプレーできるといい」と気持ちを新たにした。
（砂川博範）
大城、柔軟なリード光る
沖縄尚学の先発、伊波慶治朗と継投したエース東恩納蒼の球を受けた捕手の大城和平。投手2人の仕上がり具合を見ながら配球を組み立てた。伊波はカーブやスライダーなど多彩な変化球を持つが、序盤は「よくフライも上がっていた」と直球主体でリードした大城。宮古打線がタイミングを合わせてきたと感じたら、変化球で緩急をつけ、的を絞らせなかった。
東恩納に関しては「三振が取れるので、スライダーをうまく混ぜながら」と直球主体で宮古打線を打ち取っていった。決勝で戦うウェルネス沖縄については「1回負けている相手なので、そこは絶対負けたくない」と雪辱を果たすつもりだ。
（砂川博範）
