生成AI、茨城県内大学が指針 活用前提、制限も

筑波大学=つくば市

対話型人工知能(AI)「チャットGPT」など生成AIの使用について、茨城県内の大学は相次いで基本方針を示し、学生や教職員への対策に当たっている。有効的に活用することを前提とする一方、リポート作成では利用を制限するほか、個人情報流出の危険性を呼びかけている。

筑波大(つくば市)は、ホームページや学内広報誌で、生成系AIの使用に関する基本方針を示し、「新規技術の社会への定着に向けて積極的に使用することを基本とする」とした。著作権の侵害、個人情報などの機密情報が漏れる可能性を指摘。「使用者の責任を自覚し、慎重に取り扱う」ことを求めている。

生成AIによる文章などの使用は、引用元を明示できる場合に限定し、必ず1次資料を確認して取り扱うこととしている。AI技術の発展を前提として最新の動向を把握するとともに、基本方針を変更する場合は改めて公表する。

茨城大(水戸市)は、学生と教職員にメールを送り注意喚起した。「生成系AIの授業等における活用方法について検討する」としつつ、個人情報の漏えいや著作権侵害の恐れなどを指摘している。

具体的には、生成AIで得た回答をテストや論文、リポートで提出することは認められないとした。担当教員から生成系AIの利用範囲について指定や制限があった場合は従うこととしている。学生が生成AI自体の利用を禁止することはできないことから、試験での不正使用やリポートでの使用制限や注意喚起が中心となっている。

文部科学省は13日、生成AIの大学教育での取り扱いについて、各大学が指針を策定する際の留意点をまとめ、通知した。活用が有効な場面を示した上で、リポートを作成することは不適切と指摘。罰則の検討も促している。

常磐大と常磐短期大(同市)は、既に「チャットGPTを含むAI等の文章をそのまま転記することは不正行為」とホームページで公表。「前期試験前に生成AI等を使った不正がないよう注意喚起を行った」としている。

茨城キリスト教大(日立市)は、今月末に行う前期試験を控え、学生と教職員に向けた基本方針を示す。梶田泰孝副学長は「授業を担当する各教員がリポートの使用などについて対応する」として、「(日頃の使用を)全面的に禁止するのではなく、有効に活用していってほしい」と話した。

茨城大学=水戸市文京

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