三菱 新型デリカミニのおすすめグレードは200万円台だ! 納期や価格を詳しく解説

三菱自動車の軽スーパーハイトワゴン、新型デリカミニの予約注文を2023年1月に開始しました。新型デリカミニは可愛らしさとSUVらしいフロントマスクが人気を博し、売れ行きも好調です。今回はそんな新型デリカミニについて、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが納期や価格、燃費、おすすめグレードなどを詳しく解説します。

三菱 デリカミニ

新型デリカミニのおすすめポイント

・フロントマスクはSUVらしいデザインでカッコ良く、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)も軽SUVとしては十分

・車内が広く荷物が積みやすい

・スライドドアが装備され、乗降性も優れている

・運転支援機能のマイパイロットなど先進装備が充実

新型デリカミニのレビュー・評価

総合評価 4.0 ★★★★☆

5段階採点の解説

外観

テレビCMで表現されている通り、やんちゃで可愛らしさのあるフロントマスクが人気を博し、売れ行きも好調です。4WDは最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)に余裕があり、悪路走破力も向上させました。

内装

内装の質に不満はなく、居住空間は広いです。前席は座り心地も快適に感じられます。

後席は乗員の身体と座面の接する部分が短く、クッションの柔軟性も乏しいため、少々不満に感じる方もいるでしょう。

走行性能

動力性能は、ノーマルエンジンではパワー不足ですが、ターボであれば解消されます。

背が高い車両は重心が高くなるため、車線変更やカーブの際には挙動が不安定になりやすいですが、新型デリカミニは走行安定性が良いため、違和感なく運転できます。

運転のしやすさ

外観が水平基調なので、ボディの四隅も分かりやすいことで車両感覚も掴みやすいため、狭路の走行や駐車がしやすいです。最小回転半径は、2WDの14インチタイヤ装着車は4.5mですが、4WDは4.9mで大回りです。

乗り心地

乗り心地は、時速40km以下では路面のギャップを感じやすく硬い印象ですが、他の軽自動車に比べて良いほうです。4WDはタイヤと足まわりの設定を新しくしたことで、快適な乗り味に仕上げられています。

価格の割安度

装備を充実させた代わりに、価格はどのグレードも高いです。それでもプレミアムグレードは、標準グレードに比べると装備を充実させたことでお得感があります。

総合評価の解説

新型デリカミニは三菱 eKクロススペースの大幅改良版ですが、売れ行きはeKクロススペースに比べると急増しています。

一番の大きな成功の理由はフロントマスクの刷新です。以前のeKクロススペースは、軽自動車の主要顧客である女性から「顔立ちが怖い」と指摘されました。そこで馴染みやすいデザインに変更して、車名も「デリカミニ」に改めたところ、共感を得られました。

全高が1700mmを超えるスーパーハイトワゴンなので、車内は広く、後席を格納すれば自転車なども積みやすいです。

4WDは悪路走破力が高く、足まわりも柔軟に伸縮するため、乗り心地も優れています。

注意したいのは、後席の座り心地が良くないことと、2WDは乗り心地が硬めになることです。価格もライバル車に比べると高めです。これらの欠点を確認して選びましょう。

良かった点

・4WDは足まわりとタイヤの設定が2WDとは異なり、走破力が高く乗り心地も快適

・重心が高いものの、カーブを曲がる時や車線を変える時の安定性は良好

・シートには撥水加工が施され、プレミアムの荷室は汚れを落としやすい

気になった点

・後席は座面が短く感じられ、座り心地も柔軟性が乏しい

・4WDの小回り性能は、軽自動車としてはあまり良くない

・装備が充実する代わりに価格も高く、200万円以上が売れ筋

新型デリカミニの基本スペック・価格表

新型デリカミニは、全高が1700mmを超える背の高い軽自動車です。車内が広く、後席を格納すると、自転車なども積める広い荷室が特徴と言えます。

後席側のドアはスライド式なので、電動機能も採用され、子供を抱えて乗り降りする時も便利です。

新型デリカミニは三菱 eKクロススペースのマイナーチェンジ版ですが、フロントマスクをSUVらしいデザインに刷新され、車名も変更されました。

4WDは最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)にも余裕があり、悪路のデコボコも乗り越えやすいです。カッコ良くて実用性も高いことから、売れ行きも好調です。

新型デリカミニのボディサイズ

新型デリカミニのボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1800mm(4WDでは1830mm)、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2495mmです。

eKクロススペースは全長3395mm、全幅1475mm、全高1780mm(4WDは1800mm)、ホイールベースは2495mmとなり、新型デリカミニはeKクロススペースと比べると全高が高くなっています。

新型デリカミニの燃費

新型デリカミニのWLTCモード燃費が最も優れたノーマルエンジンの2WDは20.9km/L、一番悪いターボの4WDでも17.5km/Lですから、燃料代を節約できます。

新型デリカミニの発売日と納期の目安

新型デリカミニの発売日は2023年5月25日(木)です。2023年に入って受注を開始した新型車なので、注目度は高いです。

三菱の販売店の数は、ホンダや日産の25%程度と少ないですが、売れ行きは好調に推移しています。

納期と今後のモデルチェンジ予想

販売店に新型デリカミニの納期を尋ねると「現時点では曖昧ですが、おおむね6か月から10か月です」と返答されました。新型デリカミニは、三菱 eKクロススペースをベースに開発されましたが、新型車なのでフルモデルチェンジは当分の間行いません。

新型デリカミニのリセールバリュー

リセールバリューの5段階採点:4点

新型デリカミニは背の高い軽自動車で、内外装がSUV風に仕上げられました。現在、高い人気を得ています。軽SUVは人気が高く、魅力が色褪せにくいため、数年後に売却する時も高値になるでしょう。

新型デリカミニのおすすめグレード

おすすめグレード:Tプレミアム(223万8500円/4WD)

新型デリカミニのパワーユニット(動力源)はターボエンジンが割安です。ハンドルから手を離すことなくシフト操作ができるパドルシフトなどの装備を含めて、8万円前後の上乗せで駆動力がノーマルエンジンの約1.7倍に増強されます。

新型デリカミニのWLTCモード燃費(4WD)は、2WDと比較して約8%しか悪化しないので燃費効率が優れています。そのため駆動方式は4WDを推奨します。4WDは足まわりやタイヤを新開発して、悪路走破力と乗り心地を向上させました。

新型デリカミニの推奨グレードはTプレミアムグレードの4WDです。価格はTグレードの4WDに比べて14万6300円高いですが、運転支援機能のマイパイロット、右側スライドドアの電動機能、マルチアラウンドモニターなど、28万円相当の装備を加えました。

予算が超過する時は、ノーマルエンジンのGプレミアムグレードの2WDも検討しましょう。装備を充実させて、価格は198万5500円と抑えられています。

新型デリカミニのライバル比較

ライバル車のダイハツ 新型タントファンクロスは、左側のピラー(柱)がドアに内蔵され、前後ともに開くと開口幅が1490mmに広がります。

子育て世代のユーザーは、子供をベビーカーに座らせた状態で乗り込み、車内でチャイルドシートに移動させる作業を行えるため、便利です。その代わり乗り心地や荷室の使い勝手は、新型デリカミニが優れています。

スズキ 新型スペーシアギアもライバル車です。ターボエンジンを搭載して装備も充実させたXZターボグレードの4WDを192万2800円に設定されています。

新型デリカミニに比べて新型スペーシアギアの価格は安く、荷室の床も50mmほど低いため、荷物の出し入れもしやすいです。また、新型スペーシアは助手席の下に大きな収納ボックスを装着するなど、収納設備も豊富です。その一方で、動力性能、走行安定性、乗り心地など、走りに関する機能は新型デリカミニが上回ります。

新型デリカミニのカラーバリエーション

新型デリカミニを販売店で試乗するときのポイント

4名で乗車する予定のユーザーは、新型デリカミニの後席の座り心地や高めの着座位置に不満がないかを確認しましょう。4WDは最小回転半径が4.9mと大回りなので、縦列駐車などを行って不都合がないかチェックしておくと安心です。

実走行では時速40km以下で路面の荒れた場所を走り、乗り心地が気にならないかを確認しておきましょう。また後席を折り畳んだ状態で荷物を載せても汚れが落としやすいようになっているなど、優れた実用性も見ておいた方が良いでしょう。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:MOTA編集部(望月 達也)/三菱自動車】

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