岩手県内断続的な雨 土砂災害や河川氾濫に警戒

土砂災害の恐れがあり、通行止めとなった国道46号=16日午前6時40分、雫石町御明神山津田

 東北北部に停滞する前線の影響で、16日の岩手県内は断続的な雨となっている。西和賀町沢内では午前5時10分までの24時間降水量が242.5ミリで7月の観測史上最大(10年未満)となり、住家2棟が床下浸水した。JRは秋田新幹線と北上、花輪、田沢湖の3路線で運休、区間運休している。県によると午前10時までに人的被害の情報は入っていない。

 盛岡地方気象台によると大雨の峠は越えたが、内陸を中心に土砂災害や河川の増水、氾濫に警戒が必要だ。

 14日午後3時の降り始めから16日午前9時までの降水量は西和賀・沢内277.0ミリ、雫石・葛根田155.0ミリ、花巻・豊沢141.0ミリ、雫石124.5ミリ、盛岡89.0ミリなど。

 県防災課によると、雫石町橋場から秋田県仙北市に抜ける国道46号仙岩峠は、土砂崩れの恐れがあり通行止めとなっている。高齢者等避難の発令に伴い開設された花巻、雫石、西和賀の3市町の避難所には同10時現在、身を寄せている人はいない。

 JR盛岡支社によると、16日は北上線ほっとゆだ(西和賀町)―横手駅(秋田県横手市)間で終日、花輪線荒屋新町(八幡平市)―大館駅(同大館市)間は午後2時ごろまで運休する。田沢湖線も全区間で運転を見合わせている。秋田新幹線は盛岡―秋田駅間で終日運休する。

 同気象台によると、17日午前6時までの24時間降水量は多い所で内陸と沿岸北部40ミリ、沿岸南部20ミリ。雨は16日夜には落ち着くが、17日昼ごろから夕方にかけて内陸を中心にやや強い雨が降る見込み。

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