「二度と社会に戻ってこないで」 被害女性、厳しい処罰感情 強制性交の元警部初公判 犯行後「一生追いかけ回す」検察側、手口指摘

千葉地裁

 「二度と社会に戻ってこないで」。検察側は被害女性の供述調書の一部を読み上げた。

 女性6人に性的暴行や盗撮をしたなどとして、強制性交などの罪に問われた千葉県警捜査4課の元警部、岡田誠被告(46)の初公判が13日、千葉地裁(品川しのぶ裁判長)で開かれた。

 就寝中の女性を襲い卑劣な犯行を重ねていたとされる被告。検察側は、顔を見られないように衣類で目隠しをしたり、犯行後に「誰にも言うな。一生追いかけ回す」「警察に言ったら分かるからな」と脅したりしていた手口を明らかにした。

 続いて被害女性の供述調書の一部を朗読。「市民を守るべき警察官が犯人と聞いて驚いた。誰も信用できない」「犯人の顔を報道してもらい、二度と社会に戻ってこられないようにしてほしい」。被害女性の怒りと厳しい処罰感情を伝える検察官の声が法廷に響いた。

 被告は昨年8月、県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで現行犯逮捕され、一連の事件への関与が判明。検察側によると、現行犯逮捕された際「何もやっていない。なぜ捕まえるのか」と開き直り、スマートフォンに残っていた盗撮画像についても「知らない。俺が撮影した画像ではない」と主張していたという。

 この日の被告は上下黒のスーツ姿で終始うつむきがち。被告人質問では小さな声で「本来市民を守る立場にありながら、身勝手で無責任な行動で落ち度のない女性を傷つけた。申し訳ない」と謝罪した。

© 株式会社千葉日報社