【深ヨミ】Mrs. GREEN APPLE『ANTENNA』の初週地域別販売動向を過去作と比較調査

2023年7月12日公開のBillboard Japan週間アルバム・セールス・チャート“Top Album Sales”(集計期間:2023年7月3日~7月9日)でMrs. GREEN APPLEの『ANTENNA』が59,822枚を売り上げて2位を記録した。

7月5日にリリースされた同作はMrs. GREEN APPLEの5thオリジナル・フルアルバムで、テレビドラマ『日曜の夜ぐらいは…』の主題歌「ケセラセラ」や映画『ラーゲリより愛を込めて』主題歌「Soranji」を含む全13曲が収録されている。

『ANTENNA』は初週で59,822枚を売り上げ、2019年リリースの4thオリジナル・フルアルバム『Attitude』(初週売上26,854枚)を上回る数字を記録した。本記事では『ANTENNA』はの販売動向を『Attitude』、そして2018年リリースの3rdオリジナル・フルアルバム『ENSEMBLE』(初週売上15,272枚)と比較し調査してみたい。

ここでは、SoundScanJapanの販売データを使用し、Mrs. GREEN APPLEの上記3作の販売動向を調査した。図1(https://www.billboard-japan.com/d_news/image/127719/2)は『ANTENNA』、『Attitude』、そして『ENSEMBLE』の実店舗での発売初週の地域別販売比率のグラフとなる。

グラフを見てみると、『ANTENNA』とその前の2作はかなり近い販売比率となっていることがわかる。関東地方の数値は3作共通して30%以上(『ENSEMBLE』は35.1%、『Attitude』は33.7%、『ANTENNA』は34.5%)を記録していて、その差異は±1.5%未満と安定感を見せている。

他の地域に目を向けると、東北(6.9%→7.5%→7.7%)と北陸(2.4%→2.5%→3.3%)では各作品ごとに数字を伸ばし続けていることが見える。また、比較対象を『ANTENNA』と『Attitude』の2作に絞ると、北海道が4.7%→5%、中部が12.5%→14.9%、近畿が13.3%→13.9%とそれぞれ比率の増加を見せている。また、その他のほとんどの地方における差異も±1.5%未満で、安定的な人気を今作でも保持できていることがうかがえる結果となっている。

過去2作から着々と初週の販売動向を伸ばしてきているMrs. GREEN APPLE。近年は「青と夏」や「ダンスホール」など、総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”において多数の楽曲がロングヒットを記録しているのが印象的だが、今回取り上げた過去のアルバム2作、特に『Attitude』はシングルと似た形でリリース後も週間アルバム・セールス・チャートに長期間登場し続けている。『ANTENNA』が2周目以降にどのようなチャート動向を見せていくのか、引き続き注目したい。

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