親のため手話通訳、中高生初調査 こども庁と結果共有、支援検討

コーダへの主なアンケート項目

 聴覚障害がある親の生活を手話通訳で支えている中学生、高校生について、東大の中津真美特任助教らの研究グループが初の実態調査を始めたことが16日、分かった。こうした子どもはヤングケアラーに位置付けられているが、統計データはほぼない。こども家庭庁や当事者団体と調査結果を共有し、支援策の検討に役立てる。

 自身に聴覚障害はなく、手話で親の日常生活を支えている人は「CODA(コーダ)」と呼ばれ、多くは手話のほか口の動きを読み取る口話などを駆使して親と会話する。病院での診察や金融機関での契約に同行して高度な通訳を担うこともあり、心理的負担が大きいとされる。

 調査は中高生のコーダを対象とし、6月27日に開始。通訳の負担度合いや親との関係性に関するアンケートにインターネット上で答えてもらう。通訳を始めた年齢や多い時で週に何日通訳しているかを質問。父や母と意思疎通がどこまでできているかといった現状や通訳をする際の心情なども尋ねている。

 アンケートは8月20日締め切り。無記名で回答できる。

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