感情的になり頭突き、平手打ちした中学教諭も…埼玉県教育局、2022年度の体罰調査 件数は微減「研修の効果」

公立校体罰実態調査、男性教諭1人停職

 埼玉県教育局は13日、さいたま市を除く県内公立学校の2022年度の体罰実態の調査結果を発表し、体罰の件数は前年度比2件少ない16件だった。子どもの被害では、頬のあざの外傷1件、鼓膜損傷1件、精神的苦痛2件が報告された。件数の減少について、担当者は「不祥事防止研修プログラムの中で、短時間の研修を繰り返した効果と考えられる」と説明した。

 被害児童数は小学校で4人、中学校で13人、高校で6人。体罰を行った教員は小学校で4人、中学校で5人、高校で4人だった。中学校で生徒3人への指導の際に感情的になり、暴言や威嚇、頭突き、頬への平手打ち、首元をつかんで黒板にたたき付けるなどの体罰を行った男性教諭=当時(43)=1人は停職となった。それ以外の処分は、減給2人、戒告1人、訓告などが9人。

 体罰の内容は「素手でたたく」が最多の5件で、「胸ぐらをつかむ」「暴言・威嚇」が各2件、「蹴る」が1件、その他が6件だった。件数は18年度に37件、19年度に35件。コロナ禍で子どもとの接触が減った20年度は10件に減り、21年度は18件だった。

 同日の教育委員会で担当者は「体罰を行った教員は40歳以上の中堅が多い」と説明。「一人で抱え込み、組織的な指導体制ができていない。今までの指導観に固執し、見直すことができていない」と課題を挙げた。

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