J2歴代最多4万7628人集めた清水vs千葉の国立決戦は珠玉のドロー決着【明治安田J2第26節】

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

16日、明治安田生命J2リーグ第26節の清水エスパルスvsジェフユナイテッド千葉が国立競技場で行われ、2-2のドローに終わった。

リーグ3連勝でプレーオフ圏内の6位に浮上した清水。J1時代の昨シーズンに続く2度目の新国立でのホームゲームでは今シーズン初の4連勝を目指した。

一方、直近2勝2分け1敗とやや復調する15位の千葉は、トップハーフ浮上に向け改修後初の国立を舞台に上位撃破を狙った。

J2初開催は前節の東京クラシックに譲ったものの、J2歴代最多4万7628人の大観衆を集めた新国立での“オリジナル10対決”。

酷暑での18時キックオフとなったが、互いにアグレッシブな試合への入りを見せる。ホームの清水が押し気味に試合を進める中、11分には中央を果敢に持ち上がったホナウドからの正確なスルーパスに抜け出した中山克広に最初の決定機。ボックス右に持ち込んでゴール左隅を狙うが、右足のシュートはわずかに枠の左に外れる。

最初の決定機は逸したものの、良いリズムで試合に入った清水がそのまま押し切る。15分、人数をかけた攻撃から北爪健吾がボックス手前右で浮き球のクロスを供給。これはDFに撥ね返されるが、ボックス左でこぼれを回収した神谷優太が鋭い振り抜きから見事な右足シュートをゴール右隅へ突き刺した。

神谷のゴラッソで早くもスコアが動いたが、千葉も鮮やかな反撃ですぐさまスコアをタイに戻す。17分、小森飛絢の前線でのキープから左サイドで高木俊幸を経由したボールがボックス手前左でドフリーの見木友哉の足元に繋がる。ここで右足を振り抜くと、ボックス内のDFにディフレクトして大きくコースが変わったシュートがGK権田修一の反応の逆を突く形でゴールネットに吸い込まれた。

1-1のイーブンに戻った試合だが、流れ自体は以降も清水ペースで進んでいく。絶好調の乾貴士がアタッキングサードで違いを生み出し、続けて決定的なシュートを放っていく。だが、千葉もGK鈴木椋大の冷静な対応で2失点目は許さない。

すると、前半終盤にかけてはトランジションで優位性を示した千葉がカウンターからサイドを起点に鋭い仕掛けを見せる。そして、髙橋壱晟らが決定的なシュートを放ったが、清水の身体を張ったブロックに阻まれ、こちらも勝ち越しゴールには至らず。

互いに選手交代なしで臨んだ後半、前半終盤からの流れを継続した千葉が先にゴールをこじ開ける。47分、千葉のセットプレーの流れから前線に攻め残っていた鈴木大輔がDFと競ったこぼれ球に中央の小森飛絢が反応。胸トラップから右足のシュートをゴール右隅へ流し込んだ。

千葉の若きエースに逆転ゴールを許した清水は徐々にリズムを立て直しつつ、54分には3枚替えを敢行。左サイドのテコ入れに加え、最前線に長身FWオ・セフンを投入。すると、この交代が攻撃を活性化させる。

まずは55分、相手DFの不用意な横パスをボックス手前でカットしたオ・セフンがすかさず足を振るが、このシュートはGK鈴木の好守に遭う。さらに、オ・セフンは62分にも馬力のある仕掛けからの左クロスで岸本武流の絶好機を演出。しかし、ここもGK鈴木がビッグセーブで立ちはだかる。

それでも、一連の交代で流れを引き寄せたホームチームがついにゴールをこじ開ける。66分、乾の右サイドへの大きな展開から岸本が味方とのワンツーでボックス右に抜け出してグラウンダークロスを供給。手前でオ・セフンが潰れた背後に飛び込んだ途中出場のベンジャミン・コロリが右足で流し込み、値千金の今季リーグ戦初ゴールとした。

聖地・国立に集った大観衆を魅了する白熱のシーソーゲームは後半半ばから終盤にかけて、さらにヒートアップ。疲労の影響で中盤が間延びしてきた中、清水では獅子奮迅の乾、千葉では途中出場の福満隆貴が決定機に絡んでいく。

その後は[3-4-3]の布陣に変更し、リスクを背負った清水が押し込む状況が続く。5分が加えられた後半アディショナルタイムにはロングカウンターから乾のラストパスに抜け出したベンジャミン・コロリ、セットプレーから高橋祐治と続けてビッグチャンスが舞い込む。しかし、GK鈴木の圧巻のセーブなどに阻まれ、劇的決勝点とはならず。

そして、J2歴代最多入場者数を集めた珠玉の“オリジナル10対決”は2-2のスペクタクルなドロー決着となった。

清水エスパルス 2-2 ジェフユナイテッド千葉

【清水】

神谷優太(前15)

ベンジャミン・コロリ(後21)

【千葉】

見木友哉(前17)

小森飛絢(後2)

© 株式会社シーソーゲーム