愛犬が亡くなったらどうすればいい?やるべき4つのことと悲しみを乗り越える方法

愛犬が亡くなったときにやるべきこと

可能であるなら避けて通りたいですが、犬の寿命が人間の寿命より短い以上、いつか愛犬とも最期のお別れをしなければなりません。

では、実際に愛犬が亡くなったときに、飼い主としてどうすればいいのでしょうか。

1.愛犬の遺体をととのえる

犬は亡くなった後、数時間程で死後硬直が広がります。足や胴がのびたままにしていると、その形で硬直してしまい棺や箱に入りづらくなってしまい、無理におさめようとすると愛犬の体を傷つけてしまうことになるかもしれません。

死後硬直の前に体を丸め、足をたたみ自然な形で棺や箱に入る状態にしておきましょう。目が開いたままの場合は、そっと閉じてあげてください。

また、体から体液が出たり、糞や尿がもれるケースもあります。ぬるめのお湯で濡らしたガーゼやタオルで清めて、毛並みをととのえてあげましょう。

2.遺体を安置し、最後のお別れをする

愛犬の遺体をととのえたら、家族やお友達が最後のお別れができるよう遺体を安置しましょう。段ボールの場合は底が抜けることもあるので、強度に注意が必要です。

箱や棺の中にドライアイスや保冷剤を敷き、その上にタオルやペットシーツをのせて遺体をおさめれば、腐敗の進行を遅らせられます。エアコンがあり、直射日光の当たらない場所に安置するようにしてください。

愛犬の死は悲しくショッキングなことで、愛犬の遺体と離れたくない、一緒にいたいと感じてしまうのも当然のことです。ただ、夏場の場合は1~2日、冬でも2~3日が安置できる日数の目安になります。

お辛いでしょうが、葬儀までたくさん感謝の気持ちや思い出を話して、愛犬と最後のお別れをしましょう。

3.葬儀の手配をする

愛犬の葬儀の手配をしましょう。最近では火葬が主流です。自治体によっては土葬が禁じられていることがあります。注意が必要です。

各自治体に持ち込んでの火葬の場合、費用が安くすみますが一部廃棄物との焼却になったり、他のペットと一緒の合同火葬になったりと、遺骨を持ち帰れないことも多いので遺骨を引き取りたい場合は注意が必要です。

家族でしっかりと愛犬を見送りたい場合、ペット霊園に依頼して火葬からお骨上げまで立ち会う方法もおすすめです。また、読経など、人間の葬儀のように対応してくれる施設もあります。他にも、訪問火葬で、慣れ親しんだおうちでお見送りするという方法もあります。

注意すべきことは、一部ペット葬儀業者で合同火葬の場合もありますし、葬儀の内容によっては追加料金が必要になったりするケースも。事前にプランについてはしっかりと確認してください。

とはいえ、愛犬を亡くしてすぐだと、冷静に判断できないかもしれません。そのため、「縁起でもない」と感じるかもしれませんが、愛犬が健在で飼い主として冷静に判断できるうちに、愛犬の葬儀に関するリサーチや準備をしておくのもひとつの方法です。

感情が乱れている中で葬儀に関してミスをしてしまった場合、後悔だけが残ります。思ったように愛犬を見送れなかったことに後悔しないためにも、いざという時は愛犬との大切な時間を安心して過ごすためにも、事前準備の重要性については一度検討してみても良いかもしれません。

また土葬については、自宅敷地内であれば可能ですが、それ以外は不法投棄になってしまいます。また、ニオイや虫など衛生面でトラブルになることもあります。土葬にする場合は事前に入念な調査をして、慎重に行ってください。

4.市区町村への届け出を忘れずに

犬を飼い始めたときには、お住まいの市区町村に届けを出しましたよね。犬が亡くなったときにも、30日以内に死亡届を出す必要があります。

死亡届と一緒に、鑑札及び狂犬病予防注射済票の提出を求められるので、準備をしておきましょう。死亡届を出さずにそのままにしていると、犬の登録が残ったままになり、狂犬病予防法に則り20万円以下の罰金に処せられる場合があります。

マイクロチップを装着し、環境大臣指定登録機関に情報登録している犬についてはマイクロチップの情報登録サイトでの死亡届が必要です。またマイクロチップを犬の鑑札とみなす狂犬病予防法の特例制度の参加市区町村にお住まいの場合、市区町村への届け出は不要なので、各自治体のホームページを必ずチェックしましょう。

ペット保険に入っている場合は、そちらの解約手続きも忘れずにしてください。

愛犬を失った悲しみを乗り越える方法

愛犬を失った悲しみを乗り越える、誰にでも効果のある完璧な方法というものは存在しません。

ただ、「悲しい気持ちを正直に話して吐き出す」ということが大切だということはいえます。無理に悲しみをこらえて自分の気持ちを誤魔化してしまうとペットロスが長期化したり、後になってより重症化したりしてしまうかもしれません。

まずは信頼のできる人に気持ちを話したり、日記やSNSに悲しみをつづって、感情をしっかりと吐き出すようにしてください。

そして愛犬の死から時間が経ち、気持ちが落ち着いてきたら、愛犬の遺品と共に思い出を整理し、振り返るというのもおすすめ。「このおもちゃ大好きだったよね」など楽しかったできごとを思い出すことで、少しでも前向きな気持ちを取り戻せるといいですね。

また、悲しみの度合いや愛犬の死の悼み方は人それぞれです。ペットを亡くした辛さから何も手が付かない状態になってしまう方もいれば、いつも通りの生活をしながら、ふとした瞬間に思い出して深い悲しみ、寂しさ、恋しさを感じるという方もいます。同じ愛犬を失った家族の間でも、それは異なるかもしれません。

「いつまで悲しんで何もしないでいるの?」「あなたは冷たい」とお互いを責めあい衝突するのは、亡くなった愛犬を悲しませることにもなります。愛犬を失ったことを受け入れ、悲しみを克服するには、人それぞれのペースがあるということを覚えておきましょう。

最後に、カウンセラーなど専門家に相談してみるというのもおすすめの方法です。「ペットロスくらいで」と思わずに、周囲の人に相談するのが難しい、逆に家族からみてその人が重いペットロスで心配なら、受診してみるというのも検討してくださいね。

まとめ

今回は、愛犬が亡くなったときにやるべきことをご紹介しました。犬は人間よりも寿命が短く、残念ながら愛犬とのお別れは避けられないものです。

その際、今回ご紹介したように飼い主としてやるべきことはたくさんありますが、それが終わると、とてつもない喪失感に襲われるかもしれません。

周囲の人や専門家などの手も借りて、焦らずゆっくりと自分の気持ちと向き合いましょう。

(獣医師監修:平松育子)

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