J・パトリッキ弾で鳥栖に逆転勝ちの神戸が連勝で首位再浮上!【明治安田J1第21節】

16日、明治安田生命J1リーグ第21節のヴィッセル神戸vsサガン鳥栖がノエビアスタジアム神戸で行われ、ホームの神戸が2-1で逆転勝利した。

直近2勝1分けの3戦無敗で暫定2位に付ける神戸は、前日に首位の横浜F・マリノスが敗れたことで、首位奪還のチャンスを得た。約2カ月ぶりのリーグ連勝を目指すホームゲームでは1-0で勝利したアルビレックス新潟戦から先発1人を変更。大崎玲央に代えて本多勇喜がセンターバックに入った。なお、双方合意の下での契約解消によって退団が発表されたセルジ・サンペールはこのラストマッチでベンチ外となった。

対する8位の鳥栖は前節、セレッソ大阪を相手に富樫敬真の劇的な終盤のゴールで2-1の逆転勝利。ただ、ミッドウィークの天皇杯ではJ2のロアッソ熊本に延長戦の末に3-4で敗戦。天皇杯敗退からのバウンスバックを図った一戦ではC大阪戦から先発1人を変更。堀米勇輝に代えて森谷賢太郎を起用した。

開始直後の2分に右サイドのスペースに抜け出した岩崎悠人がクロス性のシュートで両チームを通じて最初のシュートを放つ。対する神戸も直後の3分には汰木康也の正確な左クロスから武藤嘉紀が枠のわずか右に外れる際どいヘディングシュートでゴールを脅かす。

互いに早い時間帯にフィニッシュのシーンを作り出したが、以降は互いに長いボールを使って前進を試みるものの、なかなか効果的に運ぶことができず。拮抗した展開が続いていく。

それでも、前半終盤にかけては個のクオリティで勝る神戸が優勢にゲームを進める。そして、35分には中央のスペースで武藤から横パスを受けた大迫勇也がボックス手前から左足を一閃。強烈なシュートが枠の右隅へ向かうが、これはGK朴一圭のビッグセーブに遭う。さらに、前半終了間際にはタイミング良く攻撃参加した山口蛍がボックス付近から右足を振るが、これは惜しくも枠の左へ外れた。

互いにボールの前進、崩しの局面で課題を残す形で前半を終えた中、鳥栖ベンチが先に動く。森谷を下げて富樫をハーフタイム明けに投入すると、この交代が早々の先制点に繋がる。51分、ボックス内で味方のパスに反応した長沼洋一がDF初瀬亮のファウルを誘ってPK獲得。これをキッカーの富樫が冷静に左隅へ突き刺し、2試合連続ゴールとした。

一方、一瞬の隙から先制を許した神戸も頼れるエースがすぐさま同点ゴールを決める。53分、ディフェンスラインでのボール回しから味方とのパス交換で佐々木大樹が左サイド深くに抜け出し、丁寧なグラウンダークロスを供給。これをニアに入った大迫がDFに寄せられながらも左足ダイレクトで蹴り込んだ。

1-1の振り出しに戻った試合だが、ここから前半同様に一進一退の攻防に。追いついた直後は神戸が押し込んだものの、それを凌いだ鳥栖もしっかりと押し込む時間帯を作り出す。

チャンスの質ではホームチームに分があるものの、ほぼ互角の状況のまま試合は推移。この間に両ベンチは積極的に交代カードを切っていくと、途中出場の選手がスコアを動かす。

82分、鳥栖のロングスローを撥ね返してロングカウンターに転じた神戸は中盤でボールを収めた大迫のスルーパスに武藤が完璧なタイミングで抜け出す。ボックス手前まで運んで放ったシュートはGKの好守に遭うが、快足を飛ばしてこぼれ球に反応した途中出場のジェアン・パトリッキが冷静に押し込んだ。

その後はリスクを冒して前に出る鳥栖の攻撃に危なげなく対応する神戸が前線の個を生かしたカウンターで幾度も際どい場面を創出。88分には相手DFのミスを突いて高い位置でボールを奪った武藤の右クロスを中央で収めた大迫が鋭い右足のボレーシュートでゴールネットを揺らす。だが、得点ランキングトップタイの15点目かに思われたこのゴールは、オンフィールド・レビューの結果、トラップ時のハンドを取られて取り消しに。

それでも、このまま1点差を守り切った神戸が2-1の逆転勝利を収め、1試合未消化ながらも横浜FMと同勝ち点で並んだ結果、得失点差で上回って首位奪還に成功した。

ヴィッセル神戸 2-1 サガン鳥栖

【神戸】

大迫勇也(後8)

ジェアン・パトリッキ(後37)

【鳥栖】

富樫敬真(後6)

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