20歳のアルカラスが4連覇中のジョコビッチを下してウィンブルドン初制覇! BIG4以外では21年ぶり[ウィンブルドン]

20歳のアルカラスがジョコビッチを下してウィンブルドン初制覇

現地7月16日、「ウィンブルドン」男子シングルス決勝が行われ、第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同1位)が、第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/同2位)を4時間42分の激闘の末に1-6、7-6(6)、6-1、3-6、6-4で下し、グランドスラム2勝目。ジョコビッチやロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、アンディ・マレーのBIG4以外では21年ぶりのウィンブルドンチャンピオンとなった。

ロジャー・フェデラーが持つウィンブルドン通算8度の優勝や大会5連覇、またマーガレット・コートに並ぶ男女通じて史上最多24度のグランドスラム制覇などの記録が今大会でかかる36歳のジョコビッチ。35度目のグランドスラム決勝を迎えた

対するは史上最年少で世界ランク1位となり、弱冠20歳ながらグランドスラム2勝目を狙うアルカラス。前哨戦「シンチ選手権」(イギリス・ロンドン/ATP500)において芝大会で初めてのタイトルを手にし、今大会でも試合を重ねるにつれてプレーの質を高めていた。

両者の対戦成績は1勝1敗。直近では、今年6月の全仏オープン準決勝で対戦しており、アルカラスが第3セット途中で足を痙攣し、ジョコビッチが6-3、5-7、6-1、6-1で勝利。そのまま23度目のグランドスラム制覇を果たしている。

2003年以降、ウィンブルドンの優勝者にはBIG4が並んでおり、アルカラスがその壁を破る挑戦者となった。第1セット序盤はやや硬さが見られ、ピンチを招いたジョコビッチだが、アルカラスの力強いショットにもミスなく対応し始め、開始から5ゲームを連取。6-1で大事な第1セットを先取する。

第2セットに入り、互いに集中力が高まり締まった展開に。激しいラリー戦が繰り広げられる中、アルカラスが伸びのあるショットを放つ一方でジョコビッチにミスが増え始める。互いに1度ずつブレークして迎えたタイブレークでは、両者にセットポイントがある中でアルカラスがリターンエースを決めて7-6(6)でセットを奪い返した。

ショットの攻撃性が増しているアルカラスは、第3セットでも第1ゲームでブレークに成功。さらに、約27分のロングゲームとなった第5ゲームでも笑みを浮かべて試合を楽しむ余裕も生まれ、7度目のブレークポイントをものにして2度目のブレークでリードを広げる。5-1でもジョコビッチのサービスゲームを破って6-1とし、ウィンブルドン初制覇にあと1セットとする。

一方、あとがなくなったジョコビッチは長いトイレットブレークを取って切り替える。勢いがアルカラスにある中、ジョコビッチは再びミスを減らしつつ、厳しいコースへのショットを続け第5ゲームでリードを奪った。これで息を吹き返し、第9ゲームもブレークして6-3。試合時間約4時間の死闘の中、試合は最終セットへもつれた。

息詰まるラリー戦に会場のボルテージも上昇。最終セットでは序盤から互いにチャンスが訪れる中、アルカラスは第2ゲームでのピンチを絶妙なドロップショットでジョコビッチを翻弄しキープすると、直後の第3ゲームでテンポの速いジョコビッチのショットに食らいついてブレークする。流れがジョコビッチに傾きかけたところを止めてリードを奪うと、その後もジョコビッチの追撃を振り切って、昨年のUSオープンに続いてグランドスラム2勝目。2002年大会を制したレイトン・ヒューイット以来、BIG4以外では21年ぶりにウィンブルドンを制した。スペイン人男子としては、マヌエル・サンタナとラファエル・ナダルに次いで3人目のウィンブルドンチャンピオンとなった。

© 株式会社キャピタルスポーツ