湿地に輝く黄金色 野木でヒカリモ確認 

野木町内で発見されたヒカリモ。県内で定期的に発生するのは珍しいという(栗田雅嗣さん提供)

 【野木】川田の水田近くの湿地で県内では珍しいとされる藻の一種、ヒカリモが確認された。淡水に繁茂する単細胞生物で、光を反射して黄金色に見えることから、その名が付けられている。国内では茨城県日立市や千葉県富津市が群生地として知られている。

 発見したのは同所、会社経営栗田雅嗣(くりたまさし)さん(39)。最初は昨年6月ごろ、散歩中に湿地の一部が黄金色になっているのに気付いた。「近辺は不法投棄も多いので、最初は汚染物質かと心配した」と栗田さん。

 ただ今年も6月になって同様に現れたことから、以前、日立市で見たことがあるヒカリモではないのかと思い、県立博物館にサンプルを持参。顕微鏡などで調べたところ、ヒカリモと判明した。

 同博物館の山本航平(やまもとこうへい)学芸員(26)は「自生に関する詳しい記録は県内ではないのが現状」と説明する。菌類に詳しい富永孝昭(とみながたかあき)宇都宮高教諭(62)は「県内でも田んぼなどで突発的に発生したことはあるが、定期的に発生するのは珍しい」と話す。

 栗田さんによると、昨年は秋ごろまで確認され、水量が減る冬場は目立たなくなったという。栗田さんは「今後は小学生の自然学習などに生かしてもらえれば」と期待する。

野木町内で発見されたヒカリモ。金色の帯状に広がっている。県内で定期的に発生するのは珍しいという(栗田雅嗣さん提供)

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