地球最後の楽園! インド洋の真珠と称される「セーシェル」ってどんな国?

1976年の独立以来、長きにわたり日本と友好関係を築いている国「セーシェル」。息を呑むほど美しいビーチや海に恵まれたこの国は、手つかずの自然が残る地球最後の楽園といわれています。今回はそんなセーシェルの基本情報はもちろん、おすすめ観光スポット、世界遺産、人気スポーツなどを一挙にご紹介。今すぐセーシェルに行きたくなるかもしれませんよ。

セーシェルの基本情報

アフリカ・ケニアの東方約1,600km、インド洋上の115の島からなるセーシェル共和国。首都はマヘ島のビクトリアです。英国領から1976年に独立しました。面積は460平方キロメートルでほぼ種子島と同じ大きさ。

10~11月および3~5月は高温多湿で、 12~2月に北西季節風が吹きます。年平均気温25~29℃と1年を通して温暖で過ごしやすく、年降水量はビクトリアで2300mmに達します。

人口は97,625人(2019年)でクレオール(ヨーロッパ人とアフリカ人の混血)が多数を占めています。公用語は英語、仏語、クレオール語。宗教は約90%がキリスト教です。

セーシェルの現在の国旗は、1996年に採用されました。放射状になった帯の青は「澄んだ空とセーシェル諸島を囲むインド洋」、黄は「生命の源である太陽」、赤は「友愛の精神で未来に向けて働く人々の決意と情熱」、白は「社会正義と調和」、緑は「自然豊かな国土」を象徴しています。この5色は国内のすべての党旗の色と対応しているのが特徴です。

また国名は、フランスの財務長官セシェル子爵の名前に由来します。18世紀に香料植物採取のため、この島に上陸したフランス人が、依頼主「セシェル」の名を記念につけたのです。

セーシェルに行くには?

日本からセーシェルへは直行便が就航していません。行き帰り最低1カ所で乗り換える必要があります。成田・羽田空港からマヘ島へ行く場合、アラブ首長国連邦のドバイ、カタールのドーハなどで乗り継ぎが可能です。

セーシェルに入国するためには、ビザの取得は不要です。セーシェル到着時に空港で入国審査官にパスポート、出国するための航空券、宿泊先の予約確認書を提示すれば、出国予定日までの滞在許可が得られます(オープンチケットの場合は最大3カ月)。ただし、滞在にあたって十分な資金(1日につき150米ドル相当)を保有しているか確認される場合があるので注意しましょう。

2023年7月現在、パスポート残存有効期限は、セーシェルを出国する日までの日数が必要になります。

セーシェルの最新の渡航情報について詳しくは下記をご覧ください。

在セーシェル日本国大使館

海外安全ホームページ

自分だけの時間を満喫できる、大人のリゾート「ラ・ディーグ島」

セーシェルといえばココ! と、パッとイメージに浮かぶ「アンス・スース・ダルジャン(恋人岩)」。海の絶景が豊富なセーシェルですが、ここは格別です。島の移動手段は、牛車かレンタサイクル・バイク。いずれかを選んで、「リュニオン・エステイト」という公園で入場料を払い、小道を進んでいけば「アンス・スース・ダルジャン」に到着します。

真っ白な砂浜に、抜群の透明度を誇るターコイズブルーの海が眩しいです。ビーチに横たわる巨大な黒い花崗岩も絵になります。このビーチは幸いなことに、混んでおらず、大人ばかりで、東洋人はほとんど見かけないとのこと。ゆっくりと自分だけの時間を満喫できそうですね。

また、同公園内ではセーシェルの固有種である「アルダブラゾウガメ」を見ることもできますよ。このカメは100年以上生きられるそう! なかには200歳を超える個体もいるとか。驚きですよね。

美しいセーシェルサンコウチョウ

島内で絶滅危惧種の「セーシェルサンコウチョウ」に出会える可能性も! この鳥はセーシェルの紙幣にもプリントされていて、見ると幸せになれるといわれています。意識して探してみたいですね。

ラ・ディーグ島へは、まずマヘ島からエアセイシェルの国内線でプララン島へ。そしてプララン島からラディーグ島まではフェリーで約20分です。

ラ・ディーグ島

美しい自然を堪能しながら、ゆったりと過ごせる「マヘ島」

首都ビクトリアがある「マヘ島」は、セーシェルの玄関口です。熱帯の木々が生い繁るのんびりとした雰囲気の町には、大統領官邸や各国大使館、銀行といった国の主要な機能が集中しています。

この島の見どころは、イギリスを統治したビクトリア女王の記念碑として建設された「ビクトリア時計台」。ロンドンのビッグ・ベンを小さく女性的にしたようなデザインで、かわいらしいです。

また、驚きなのはヒンドゥー教の寺院「アルルミグ・ナバサクティ・ビナヤガル」があること。一瞬「ここはインド?」と思ってしまいますよね。とはいえ、鮮やかで精緻な彫刻が目を引き、バックの小高い山々とのコントラストも絶妙です。

マヘ島で最も人気のある「ボーバロンビーチ」のカフェやレストランに行き、お茶をしたり、「クレオール料理」を味わうのもいいでしょう。

「ビクトリアマーケット」も訪れたいスポットのひとつ。新鮮な魚介類や野菜、果物のほか、民芸品などのお店が並び、お土産探しに最適です。

マヘ島

一般の立ち入りが禁止されている秘境「アルダブラ環礁」

セーシェルには世界自然遺産が2つあります。そのひとつが1982年に世界遺産に登録された「アルダブラ環礁」です。この環礁は火山島が沈降することで生成され、浅いラグーンを取り囲む4つの大きなサンゴ島で構成されています。

また、マヘ島から南西1,150kmの場所にあるため、孤立していてアクセスが難しく、人からの影響を受けずに済んでいます。

この環礁はアルダブラゾウガメをはじめ、400以上の固有種および亜種の保護区になっています。絶滅危惧種のタイマイが生息していることでも有名です。さらに世界で2番目に大きいグンカンドリの群れや、超レアなオオフラミンゴの群れのひとつも確認されています。

現在、アルダブラ環礁は研究者以外の立ち入りが禁止になっています。

アルダブラ環礁

「エデンの園」らしい珍しいココナッツの実がある「ヴァレ・ド・メ自然保護区」

小さなプララン島の中心部にある「ヴァレ・ド・メ自然保護区」は、1983年に世界遺産に登録されました。「ヴァレ・ド・メ」とは、フランス語で「巨人の谷」を意味し、別名「エデンの園」ともいいます。この保護区には、先史時代からほとんど変わらないままの珍しい固有種のヤシ「ココ・ド・メール(フタゴヤシ)」の原生林が広がっているのです。

彫刻のようなココ・ド・メールの実

世界最大の種子、ココ・ド・メールの実は必見! 二つに割れていて女性の下腹部に見えることから、かつては神聖なものとして王に捧げられていたとか。魔法的かつ神秘的な効能を発揮すると考えられていたそうです。

この保護区の中には、見学用の3つのコースがありますので、時間や状況に合わせて選んでくださいね。

ヴァレ・ド・メ自然保護区

セーシェルで人気のスポーツは?

2021年に開催された東京オリンピックのデータを見ると、陸上や競泳、柔道、セーリングで活躍しているセーシェルの選手がいました。ただし、セーシェルは観光立国であり、どちらかといえば、各種スポーツを提供する側になっているようです。

これだけ美しい自然が残る国ですから、それも自然なことなのかもしれません。セーシェルを訪れたら、シュノーケリング、ダイビング、サーフィン、ウォータースキー、カヌーなどを楽しみたいですね。

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