みこしも担ぎ手も泥だらけに…上尾で4年ぶり「平方のどろいんきょ」 豪快に転がし疫病退散、五穀豊穣祈る

担ぎ手たちがみこしを転がし、土と水と人と神様が一体となる「平方のどろいんきょ」=16日午後、埼玉県上尾市平方

 白木造りのみこしに水をかけて縦横に転がし、泥だらけになって疫病退散、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る奇祭「平方のどろいんきょ」(県指定無形民俗文化財)が16日、埼玉県上尾市平方で4年ぶりに開催され、担ぎ手たちが豪快にみこしを転がした。

 どろいんきょは平方の八枝神社の祗園祭。大正時代に一度途絶え、50年前に復活。新型コロナウイルスの影響で2020年から中止していた。

 今年は神酒所(みきしょ)の数を9カ所から4カ所に減らして規模を縮小。「平方どろいんきょ保存会」が中心となり、近隣から担ぎ手の応援を受けた。同会役員の石倉尊穂さん(72)は「コロナの間にできなかった分を取り返すほど、若い人たちの熱気を感じた。暑い中、思った以上に大勢の人が来てくれて、非常にうれしく思う」と話していた。

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