米中、気候変動協議を再開 COP28前に「進展」図る

17日、北京で会談前に中国の解振華特使(右)と握手するケリー米大統領特使(ロイター=共同)

 【北京共同】気候変動問題を担当するケリー米大統領特使と中国の解振華特使が17日、北京で会談した。中国国営中央テレビが伝えた。中国政府は昨年8月にペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問への対抗措置として気候変動問題の協議を含む交流停止を発表していたが、1年近く断絶していた対話を再開させた。

 中国は世界1位、米国は2位の温室効果ガス排出国。ロイター通信によると、ケリー氏は中国側との会談に関し、アラブ首長国連邦(UAE)で11~12月に開かれる国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)を前に米中が協議で「実質的な進展を得ることが必要だ」と訴えた。

 ケリー氏は16~19日の日程で中国に滞在する予定。「米中が人類共通のリスクに真剣に取り組む決意を世界に示す大きなステップを進めたい」とも述べ、米中が協力する必要性を強調した。

 米政府高官の訪中はこの1カ月間で3人目。年内を視野に実現を目指すバイデン大統領と習近平国家主席の首脳会談に向け、地ならしを進める狙いもある。

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