ENEOS渡嘉敷来夢、再び連覇を築くために「最後は私がやる」

「ほかのチームの『勝ちたい』とはちょっと違う」

昨シーズン、女王に返り咲いたENEOSサンフラワーズ。連覇に挑む今シーズンとなるが、日本代表でもあり、シューターの林咲希が富士通レッドウェーブに移籍した。

「それは大きいことなのですが、やるだけですよね」と大黒柱としてチームを牽引する渡嘉敷来夢はWリーグのサマーキャンプ(7月15~17日、@高崎アリーナ/群馬県)の会場で話してくれた。「(8月より着任予定の)コーチが求めるバスケットがどういうものになるか分かりませんが、それをしっかりとコート上で表現すれば勝てると思いますし、最後は自分たちの経験が大事になってくると思うので、そこは意識したいなと思っています」。

昨シーズン中、渡嘉敷は「勝ちたい気持ちがどのチームより強い」と何度も口にしていた。それは、勝ち続けてきたチームが、負けたことにより湧き上がってきた渇望ともいえるものだったのだろう。「ほかのチームの『勝ちたい』とはちょっと違う」と渡嘉敷は表現していた。そんな「勝ちたい」気持ちは、優勝を遂げたことでどう変わったのだろうか。

シーズンに臨むモチベーションを聞くと「個人的には同期の岡本(彩也花)に、ちゃんと復帰してコートに立ってもらいたいですね。あとはもう一度ENEOSが勝ち続けるところを見せたいと思っています。ほかのチームが移籍などで強化し、そこが優勝候補だといった声を聞くと、『いやいや自分たちだろ』といった気持ちもあります。自分たちが本当に一生懸命に獲得した2冠(皇后杯とWリーグの優勝)だったので、ほかのチームにそんな簡単には渡せないと思っています。うちのチームは、最後は勝ち方知っていると言うか、タイミング的に今やらなければいけないプレーを、きちっとできるということは、やはり勝つためにはすごく必要なことなので、それを若い選手たちにもしっかりと伝えていきたいなとは思っています」

昨シーズンもファイナルは大激戦でギリギリのところで優勝をつかみ取ったENEOS、それは「勝ち方を知っている」強さでもあっただろう。一方、チーム力の差は拮抗しており、他チームも虎視眈々と強化を進めている。昨シーズン以上に混戦が見込まれるシーズンとなるが、連覇に向けて「最後は私がやる」という覚悟を持って、渡嘉敷はシーズンに臨む。

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