親子で絵本から「平和」を考える 作家・長谷川義史さん「戦争しない社会を」 糸満で読み聞かせイベント

 【糸満】絵本や読み聞かせの普及活動、研修を行う一般財団法人絵本未来創造機構(仲宗根敦子代表)が9日、絵本を通して平和を考えるイベント「EHON FOR PEACE」を糸満市摩文仁の沖縄平和祈念堂で開催した。絵本作家・長谷川義史さん(62)の講演会があり、参加した親子連れ約230人が平和へ思いを巡らせた。

 長谷川さんは自身の絵本「グーチョキパーのうた」や、2013年の沖縄全戦没者追悼式で朗読された安里有生さん(当時小学1年)の詩を絵本にした「へいわってすてきだね」など6冊を読み聞かせした。絵を描きながらストーリーを話したり、ウクレレを演奏しながら歌ったりする場面もあり、子どもたちは夢中になって聞き入っていた。

 長谷川さんはユーモアを交えながら「みんな平等で、大切な人。沖縄という美しい南の島で昔、人と人が殺し合う恐ろしいことが起こった。今絵本を読んでいる日常は、普通じゃないんだと知ってほしい」と語り掛けた。「戦争をしない社会をみんなで守らないといけない」と話した。

 参加した子どもたちが描いた絵をつなぎ合わせた、縦横5メートル四方の大きな絵を囲んだ記念撮影や、戦没者を悼むランの花の献花もあった。

 沖縄市から姉(10)と参加した児童(8)は「やっぱり本は面白くて楽しかった。平和の方がいいと思った」と笑顔で話した。

 (上江洲仁美)

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