「お母さんに押し付けすぎ」杏&マツコ 日本の育児環境に提言も「お金がなければ頼めない」と切実な嘆き続々

「何となく生活のサイクルができはじめてきたかなっていうので、やっとスタートラインに立ったような気がしています」

7月15日放送の『マツコ会議』(日本テレビ系)で、こう語ったのはパリに移住して9カ月が経った杏(37)。パリの自宅から生中継で、父・渡辺謙(63)と民放初の親子共演を果たした。

現在、シングルマザーとして3人の子供と暮らす杏は、番組で日本とフランスの育児環境の違いについて語る一幕もあった。

杏によれば、フランスでは「特に子供は守られている。みんな宝みたいにしてくれる」「子供が3人いると保障がグッと上がる」とのこと。番組では、フランスの家族手当は世帯収入が約1千100万円以下の場合、子供2人目から月約2万2000円、3人目以降は月約5万円が支給されると紹介された。

一方、シングルマザーである杏は「私自身の力でなんとかしているのではなくて、色んな人に頼りに頼って、のたうち回って色んな人にすがって生きている」「3人子供がいるので『スゴイね』とよく言っていただくことはあるんですけど」と切り出し、カメラに向かってこう呼びかけた。

「お母さん、人の手を借りましょう。私は1人では子育てしていません。できません。無理です」

パリに移住してみて、「日本のお母さんはホントに頑張りすぎなところがある」と実感したという杏。「中学生に上がるまでは必ず送迎が必要なので、色んな人に頼ったり、ベビーシッターに頼んだりするのは当たり前の光景」と、日本との違いを語った。

杏の話を聞いたマツコは「それもあるから、みんな子供を産みたいと思う」と納得し、こう続けた。

「日本はホントに思う。お母さんに押し付けすぎだよね、全てを。働きながら子供を産もうなんて簡単に思えないじゃない。みんなの意識、考え方を変えないと、どんなに手当を出しても、お母さん1人がやってたら一緒じゃない」

■「頼ると余計に家計が苦しくなる」「お金がなければシッターは頼めない」

“日本の母親は負担が大きい”と語る杏とマツコに、ネット上では共感の声が上がっている。

《本当にそうですね。日本は母親ばかりと思いました》
《杏さんのおっしゃる通りですね。私も前々から思っていました。子供は一人で育てることは無理。夫婦二人でも無理》
《お母さんじゃないけど、お母さんが頑張りすぎてると子どもにも悪影響で負のループだと思う。私の親がそうだし、日本は手を抜くことが悪にすらなるようなところがある》

だが同時に、「人に頼る」にあたって金銭面での不安を感じるという声も相次いでいるのだ。

《頼りたいけど、頼ると余計に家計が苦しくなるから頼れない》
《杏さんの「色んな人に頼む」 この色んな人って、誰なのか具体的に知りたいです。後腐れのなく、お金が発生することが前提だったりするのではないか》
《お金がなければシッターは頼めないし、保育園が精一杯。保育園の時間以外はひとりでするしかない。親に頼める家庭ばかりではない》
《でも(ベビーシッターって)…お高いんでしょう? 子供のアルバイトならそうでもないかもしれないけど心配だし、大人でも知らない人はちょっと。という人間には無理でしょ?》

「日本ではこども家庭庁が、乳幼児または小学校3年生までの児童を対象に、企業主導型のベビーシッター券を導入する割引サービスの拡充を図っています。しかし、利用者の勤め先がこの制度を導入していないと利用できず、必ずしも全ての人が利用できるサービスではありません。東京都でもベビーシッターの利用料金を補助する支援事業を導入していますが、『頼りたくても頼れない』との声が多数上がっているということは、必要とする人たちに届いていないということなのでしょう」(全国紙記者)

果たして、岸田文雄首相(65)が掲げる「次元の異なる少子化対策」は、日本の過酷な育児環境を変えることができるだろうか。

© 株式会社光文社