院展作家の日本画秀作40点 井原・平櫛田中美術館で企画展

院展作家の日本画が並ぶ企画展

 井原市立平櫛田中美術館(同市井原町)で、日本美術院にゆかりのある日本画家にスポットを当てた企画展「再興院展の画家たち」が開かれている。横山大観ら巨匠の名作や現在活躍する院展作家の秀作が、美術ファンの目を楽しませている。9月29日まで。

 同美術館が顕彰する日本近代彫刻の巨匠平櫛田中(井原市出身、1872~1979年)は、再興第1回院展(14年)に出品して以来、日本美術院の同人として木彫を発表する傍ら、大観らと交流し、院展作家らの作品を旧蔵。同美術館がその一部を引き継いでいることから、同館のリニューアルオープンを記念した所蔵品展として企画した。

 27人の約40点を展示。大観の澄みわたった墨画「月明」や青を基調とした前田青邨の「餌長(えなが)」をはじめ、女性を神秘的に描いた井手康人の「精霊の泉」など現役作家の優美な日本画が並ぶ。福山市から訪れた来場者(76)は「日本画の鮮やかな色彩が田中の彫刻に通ずることがよく分かります」と話していた。

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