終盤2度の首位入れ替えをAPRが制す。木村組フェラーリはペナルティで表彰台失う/ELMS第2戦ル・カステレ4時間

 7月16日、フランスのル・カステレ村に位置するポール・リカールサーキットで行われたELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第2戦『ル・カステレ4時間レース』で、アルガルベ・プロ・レーシング(APR)の25号車オレカ07・ギブソン(カイフィン・シンプソン/ジェームス・アレン/アレックス・リン)が優勝を飾った。

 アレンは残りわずか7分、ホームストレートでのサイド・バイ・サイドのバトルの後、ターン1から2にかけて、レーシング・チーム・ターキー34号車のルイ・デレトラズをオーバーテイクして勝利をもぎとっている。

■終盤まで続いた接近戦

 残り23分、それまでレースをリードしていたIDECスポールのポール・ループ・シャタンがパンクによりピットインすると、デレトラズが首位に浮上していた。これにより、プロ/アマカテゴリーにエントリーする34号車は、開幕からの2戦連続優勝を飾るかに思われたが、アレンが後方から急激に差を縮めてきていた。

 最終コーナーでデレトラズのインを着いたアレン。その後、2台のマシンはスタート/フィニッシュ・ストレートを並走、次の周に入ったところで、アレンがトップへと浮上し、APRが第2戦のウイナーとなった。

 リードを失ったデレトラズは、残り4分のところでデュケイン・チームの30号車、ニール・ジャニにも先行を許してしまう。これでジャニ/ニコ・ピノー/レネ・ビンダー組が2位となった。

 最終ラップ、デレトラズはインターユーロポル・コンペティション43号車のジョナサン・アバディーンにも迫られるが、これをコンマ2秒差でなんとかしのぎ切り、サリ・ヨルック/チャーリー・イーストウッドとともに3位表彰台に立った。デレトラズ組は、プロ/アマカテゴリーでは開幕からの連勝を達成している。

 佐藤万璃音が乗り込んだユナイテッド・オートスポーツUSA22号車オレカは、総合12位でフィニッシュした。

ELMS第2戦を制したジェームス・アレン、アレックス・リン、カイフィン・シンプソン
総合2位に入ったデュケイン・チームの30号車と、同4位となったインターユーロポル・コンペティションの43号車。
決勝前日の予選でポールポジションを獲得したクール・レーシング47号車のホセ・マリア・ロペス

 LMGTEクラスでは、プロトン・コンペティション77号車がポールポジションを獲得し、レースでもアイアン・リンクス60号車を従えてポルシェ911 RSR-19のワン・ツー・フィニッシュを飾った。

 クリスチャン・リード/ジャンマルコ・レヴォラート/ジュリアン・アンドラウアー組の77号車ポルシェ911 RSR-19は、スタートからリード。レース中盤にセーフティカーが導入された際は3番手へと一度順位を下げたが、その後トップへと再浮上することに成功した。

 ケッセル・レーシングの57号車フェラーリ488 GTE Evo(木村武史/スコット・ハファカー/フレデリック・シャンドルフ)は終盤、3位争いのなかでハファカーがプロトンの16号車ポルシェへ接触。クラス3番目でチェッカーを受け暫定表彰式ではポディウムにも立ったが、レース後にドライブスルー相当となる35秒のタイムペナルティが科せられた結果、クラス4位へと降格している。

 これにより、LMGTEクラスの3位には、TFスポーツの95号車アストンマーティンが繰り上がった。

 LMP3クラスは、レーシング・スピリット・オブ・レマンの31号車リジェJS P320・ニッサンが勝利を挙げている。

 ELMSの次戦・第3戦は、8月26日にスペインのモーターランド・アラゴンで行われる4時間レースとなる。

LMGTEクラスを制したプロトン・コンペティションの77号車ポルシェ911 RSR-19
LMGTEクラスの暫定表彰で3位のポディウムに立つケッセル・レーシングの3名。この後、ペナルティにより4位へ降格した
LMP3クラスを制したレーシング・スピリット・オブ・レマンの31号車リジェJS P320・ニッサン

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