熱戦が続く明治安田生命Jリーグ。J1はここで小休止となり、延期されていた試合などを除き3週間のブレイクに突入する。
コロナ禍をある程度脱したこともあり、最近、Jリーグの各スタジアムで目にすることが多いのが外国人の観戦者だ。首都圏や関西圏を中心に昨年よりも明らかに増えている。
サッカーが世界的なスポーツであるため、Jリーグも様々な面で“国際化”を迫られており、リーグはもちろんのことクラブ単位でも「外国人のファン・サポーター」への対応が近年目立ってきている。
そこで今回、JリーグのトップディビジョンであるJ1に所属する18クラブのオフィシャルサイトに注目。外国語対応による多言語化がどのくらい進んでいるのかを調べてみた。
1か国語
横浜FC(日本語)
湘南ベルマーレ(日本語)
京都サンガF.C.(日本語)
ヴィッセル神戸(日本語)
アビスパ福岡(日本語)
サガン鳥栖(日本語)
1か国語、つまり日本語サイトのみは6チーム。湘南ベルマーレは2016年に英語サイトをオープンしたが現在は休止しているようだ。
意外なのはヴィッセル神戸だろう。様々な国から選手を獲得してきた彼らもまた日本語サイトのみとなっている。
サイト自体は英語表記が目立っており、外国人が見ても動線などは分かりやすい作り。とはいえ獲得できる情報が少ない点は相対的にやはりマイナスと言える。
なお、※の鳥栖は一応英語、中国語、韓国語、イタリア語、スペイン語に対応しており、クラブの紹介や歴史、ホームスタジアムなどは各言語で紹介されている。
ただ、公式サイトで最重要な要素の一つ、選手リストがすべて「準備中」のため日本語のみとした。
2か国語
北海道コンサドーレ札幌(日本語、英語)※自動翻訳
鹿島アントラーズ(日本語、英語)
柏レイソル(日本語、英語)
FC東京(日本語、英語)
横浜F・マリノス(日本語、英語)
アルビレックス新潟(日本語、英語)
ガンバ大阪(日本語、英語)
セレッソ大阪(日本語、英語)
サンフレッチェ広島(日本語、英語)
最も多かったのがやはり2か国語。J1の半数である9チームがサイトの充実度に差こそあれ英語にも対応していた。
最近英語サイトを本格的に整備したのが、日本の首都をホームとするFC東京。
少し前に調べた際はページはあるもののそこまでの動線がなかったのだが、稼働に向けて準備をしていたようだ。
3か国語
浦和レッズ(日本語、英語、タイ語)※自動翻訳
名古屋グランパス(日本語、英語、ポルトガル語)※自動翻訳
3か国語は2チーム。
タイ1部のムアントン・ユナイテッドとパートナーシップを結んでいる浦和レッズは、今年2月に英語とタイ語の自動翻訳機能を追加。多言語化を実現した。
名古屋グランパスも同様で、こちらは2020年2月にウェブサイト・アプリ多言語化サービス「WOVN.io」を導入して多言語化している。
ちなみに、2か国語の北海道コンサドーレ札幌も同じく自動翻訳での多言語化だ。
自動翻訳のメリットは日本語のテキストニュースが即座に各言語で読める点。デメリットは翻訳の精度となるが、昨今はAIを導入するサービスも増えてきており翻訳の質は年々向上している。
7か国語
川崎フロンターレ(日本語、英語、ポルトガル語、ベトナム語、韓国語、中国語、タイ語)※自動翻訳
そして、J1クラブで最多の7か国語に対応しているのが川崎フロンターレだ。
川崎は海外のファン・サポーターからの要望を受け、2021年12月に高電社の自動翻訳クラウドサービス「Myサイト翻訳」を導入した。
リリース時は6か国語対応だったが、チャナティップの獲得を受けて翌月にはタイ語にも対応。中国語は繁体字と簡体字それぞれで用意されている。
川崎名物の選手プロフィールもこの通り、一瞬でベトナム語に!
等々力陸上競技場も外国人のファンを見かける頻度が非常に高いスタジアムの一つであり、そうした状況にクラブとしてしっかりと対応している。
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一つ残念なのが、スマートフォンでクラブ公式サイトにアクセスした際、各言語ページへの動線(ボタン)が見当たらない点。ここは改善してほしいところだ。