北村昭斎氏死去 螺鈿の人間国宝

北村昭斎氏

 漆芸の技法・螺鈿の人間国宝、北村昭斎(きたむら・しょうさい=本名北村謙一=きたむら・けんいち)氏が7日午前、くも膜下出血のため奈良市の自宅で死去した。85歳。奈良市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は長男陽(よう)氏。

 1998年、紫綬褒章を受章。99年には螺鈿技術の保持者として初めて人間国宝に選ばれた。

 東京芸大卒業後、父の大通氏に師事。漆芸作家として活動し、伝統的な厚貝螺鈿技法に蒔絵技法などを併用する独自の作風を確立した。正倉院宝物など文化財の修理、復元を多く手がけた。

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