●高朋、魚津工コールド勝ち、富山工大勝
第105回全国高校野球選手権富山大会第5日(17日)2回戦の残り8試合が行われ、桜井が砺波工に7―6で逆転サヨナラ勝ちし、魚津工が中央農に13―0、高朋が富山高専に13―1のそれぞれ五回コールド勝ち、未来富山が上市に10―0の六回コールド勝ちを収めた。富山東、高岡向陵、富山工、富山いずみも3回戦に進んだ。22日は4球場で3回戦8試合が行われ、8強が決まる。
●越、攻守で流れ作る 「富山一にリベンジを」 高岡向陵
高岡向陵の越(こし)輝星(きら)(2年)が攻守で流れを引き寄せ、チームを勢いづかせた。
越は3―4で1点を追う六回1死一塁、高めの直球を捉え、左翼に運んで同点とした。越は「初回に失点したので、打って先輩を助けたかった。このまま勝てると確信した」と振り返る。
同じ回、茂路晴実(3年)が左犠飛で勝ち越し点を挙げ、引き離した。茂路は「越がしっかりつなげてくれてありがたかった」と後輩をたたえた。
越は投げても2番手で6回を無失点、4奪三振の好投。マウンドに上がった時は先制されていたが「焦りは無かった。自分のピッチングをすれば抑えられると思った」と振り返った。
次戦の相手は春の県大会でコールド負けした富山一。越は「リベンジを果たし甲子園を目指す」と雪辱を誓った。
●福岡失速「逆転の力なく」
福岡は善戦むなしく敗れた。主将の殿村佑真(3年)は一回、2死満塁の好機で右前打を放ち、先制を演出。序盤は順調に加点したものの、失速した。殿村は「あと少しだった。逆転の力が自分たちには無かった」と振り返った。
九回に1死満塁のチャンスをつくったが生かし切れなかった。打席に立った湊楓真(3年)は「うまく仕留められなかった。4番としてかえすべきだったのに」とうなだれた。
昨夏も途中出場した石崎優人(2年)は六回に左前打の処理に向かったところ両足がつった。石崎は「昨年はエラーが多くて先輩に迷惑を掛けた。絶対に勝ちたかった」と涙を流した。
●高朋の打線爆発 牡若が全打席出塁「100点の出来」
高朋は大量13点を挙げてコールド勝ちした。牡若(かきつ)然(ぜん)(2年)は全4打席の全てで出塁、3打数3安打4打点と大活躍だったプレーを「100点の出来」と笑みを浮かべた。
「緊張がほぐれて、落ち着いて打てた」と牡若。1回戦の新湊戦を経て、大会の雰囲気に慣れてきたという。初回1死二塁、カーブにうまく合わせ、三塁打で松原勇希(ときま)(3年)をホームに帰した。「一打席に集中できた」と笑顔を見せた。
中島千尋監督は「投手陣のしっかりした投球に、野手が点数を積み上げて応えてくれた」と評価した。牡若については「スイングのセンスと技術は十分」と期待を込めた。
●福岡、痛い2併殺
高岡向陵6―4福 岡
○…高岡向陵は0―3で迎えた三回、茂路の適時二塁打で1点を返し、五回にも加点した。六回に越の適時打などで3点を挙げ逆転した。
福岡は一回に先制するも失速し、2点を追う八、九回に3安打を放つも2併殺が痛かった。
●富山高専反撃及ばず
高 朋13―1富山高専
○…高朋は初回に先制し、全打席出塁した牡若を中心に打線が爆発。三回に7点、五回に4点を取って点差を広げ、最少イニングで試合を決めた。
富山高専は四回に二塁打で出塁した田村を木下、岩上が生還させるも、届かなかった。
●魚津、終盤力尽きる
富山いずみ9―3魚 津
○…富山いずみは三回、田村颯の安打を皮切りに打線をつなぎ、朽木3点二塁打などで一挙6得点。3点差とされたが、八回に朽木の2点二塁打などで3点を加え、再び突き放した。
魚津は八回までに3得点するも、好機を生かせず力尽きた。
●中部、あと一本出ず
富山工15―1富山中部
○…富山工が投打で圧倒した。初回に先制し、六回には四球や暴投に連打を絡めて3得点。九回には2死から金山の三塁打や温井の二塁打などで一挙8得点し、勝負を決定付けた。
富山中部は9安打を放つも、要所であと一本が出なかった。