県内採卵鶏8.7%減 22年12月 鳥インフル影響 県内畜産、規模縮小

 沖縄県農林水産部は13日、2022年12月時点での家畜・家きん数を発表した。前年同月比で、肉用牛とブロイラー以外の畜種で減少しており、採卵鶏は鳥インフルの影響などで約12万羽(8.7%)減少した。飼養戸数もブロイラー以外の全畜種で減少した。資材費高騰などで、全体的に畜産業自体の規模縮小が起きている。現在も飼料価格が高止まりの状況で、23年調査ではさらに規模が縮小することが予想される。

 採卵鶏の減少の背景には鳥インフルの発生があり、金武町で約4万5千羽の採卵鶏が死亡、殺処分された。また飼料が高騰し、卵の価格に転嫁できず規模の縮小や離農が増えた。

 畜産は規模が大きくなるほどコストが下がる傾向があり、基本的には飼養戸数が減少し、飼養頭羽数が増える傾向にあるという。だが、近年の資材費高騰などにより飼養戸数と飼養頭羽数がどちらも減少しており、畜産業自体が縮小傾向にある。

 肉用牛は戸数が38戸(1.7%)減少し、頭数が172頭(0.2%)増加したため22年は前年比で大規模化したといえる。

 だが23年は深刻な子牛価格の下落などがあるため23年の12月末調査は戸数、頭数ともに減少するとの見方もある。

 ブロイラーは既に大規模化しており、飼育戸数に大きな変化が起きにくく、前年と同数。飼育羽数は25万7661羽(65.8%)の大幅増だが、12月発生の鳥インフルの影響で出荷が滞留したことによる一時的な増加とみられる。

 乳用牛は飼料高などのコストの増加を乳価に十分に反映できなかったことなどが要因で、戸数が2戸(3.3%)減少、頭数が301頭(7.4%)減少した。

 ヤギは戸数が114戸(11.3%)減少、頭数が812頭(7.5%)減少した。ヤギは野草を食べ、放し飼いにされる場合も多く、飼養規模を拡大してもコストが下がりにくいという特徴があり、他の畜種とは傾向が異なるという。またヤギはペットとして飼っている人も多いという。

 豚は戸数が5戸(2.2%)減少、頭数は7397頭(3.7%)減少し、47年ぶりに20万頭を下回るなど規模の縮小が激しい。母豚の減少などもあり今後の規模縮小についても不安視されている。 (福田修平)

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